低密度リポ蛋白受容体関連蛋白5遺伝子(LRP5)の第18エクソン内遺伝子多型A1330Vと成人女性の橈骨骨密度との相関
低密度リポ蛋白受容体関連蛋白5遺伝子(LRP5)は, 常染色体性劣性遺伝形式を示す, 偽神経膠腫を伴う骨粗鬆症の原因変異遺伝子である. われわれは体系的網羅的SNP解析の1次スクリーニングの過程で, LRP5+398>T(A1330V)と骨密度値との相関を見出したため, 本遺伝子座における連鎖不平衡(LD)解析と, 異なる母集団での相関解析を追加して報告する. まず地域健康診断受検者から384例を抽出し, 末梢血DNAからSNP遺伝子型を解析して年齢および伸長, 体重で補正した前腕骨DEXA骨密度値との直線回帰分析での相関係数(r)から1次スクリーニングを行った. その結果, A1330...
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Published in | Journal of Nippon Medical School Vol. 70; no. 6; p. 614 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本医科大学医学会
15.12.2003
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ISSN | 1345-4676 |
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Summary: | 低密度リポ蛋白受容体関連蛋白5遺伝子(LRP5)は, 常染色体性劣性遺伝形式を示す, 偽神経膠腫を伴う骨粗鬆症の原因変異遺伝子である. われわれは体系的網羅的SNP解析の1次スクリーニングの過程で, LRP5+398>T(A1330V)と骨密度値との相関を見出したため, 本遺伝子座における連鎖不平衡(LD)解析と, 異なる母集団での相関解析を追加して報告する. まず地域健康診断受検者から384例を抽出し, 末梢血DNAからSNP遺伝子型を解析して年齢および伸長, 体重で補正した前腕骨DEXA骨密度値との直線回帰分析での相関係数(r)から1次スクリーニングを行った. その結果, A1330V遺伝子型で分類した対象群の平均補正骨密度値はCアレル(アラニン)ホモ(n=195), ヘテロ(n=155), Tアレル(バリン)ホモ(n=34)の順に高く, 遺伝子量効果が示唆された(r=0. 12, p=0. 019). LRP5遺伝子領域内の38個のSNP遺伝子多型をインベーダー法またはSd-PCR法により決定し, Arlequine Softwareによりハプロタイプ頻度の推定と連鎖不平衡の指標としてD'およびr2値を検討したところ, 本遺伝子座約130kbpにわたる連鎖不平衡を認めたが, A1330Vが骨密度値と最も良く相関する遺伝子多型であることが判明した. 1次スクリーニングとは異なる, 単一医療機関から収集された検体384例での結果は再現性高い相関を示していた(r=0. 11, p=0. 02). |
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ISSN: | 1345-4676 |