小児腎移植後サイトメガロウイルス感染に対するバルガンシクロビル予防投与における至適量の検討 (第4報)

「要旨」【背景および目的】腎移植後サイトメガロウイルス(CMV)感染予防に対するバルガンシクロビル(VGCV)投与において, 日本人小児患者の至適量は未確立である. 【方法】東京女子医科大学腎臓小児科では2022年6月-2023年12月に小児腎移植患者におけるCMV感染高リスク・中等度リスクに対して推奨量の33%量のVGCVを200日間内服するプロトコルを採用しており, 該当症例を診療録に基づき後方視的に検討した. 【結果】対象は12例で移植時年齢の中央値は15歳, 移植後観察期間の中央値は506日であった. 高リスクは5例で, 3例に予防投与中のCMV感染を認め, 2例が好中球減少のためVG...

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Published in日本小児腎臓病学会雑誌 Vol. 37; pp. 145 - 150
Main Authors 中谷諒, 三浦健一郎, 安藤太郎, 加藤彩, 山崎陽子, 小林靖子, 久米庸平, 村上穣, 白井陽子, 石塚喜世伸, 服部元史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本小児腎臓病学会 2024
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ISSN0915-2245

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Summary:「要旨」【背景および目的】腎移植後サイトメガロウイルス(CMV)感染予防に対するバルガンシクロビル(VGCV)投与において, 日本人小児患者の至適量は未確立である. 【方法】東京女子医科大学腎臓小児科では2022年6月-2023年12月に小児腎移植患者におけるCMV感染高リスク・中等度リスクに対して推奨量の33%量のVGCVを200日間内服するプロトコルを採用しており, 該当症例を診療録に基づき後方視的に検討した. 【結果】対象は12例で移植時年齢の中央値は15歳, 移植後観察期間の中央値は506日であった. 高リスクは5例で, 3例に予防投与中のCMV感染を認め, 2例が好中球減少のためVGCVを中止または減量した. 中等度リスクは7例で, 1例に予防投与中のCMV感染を認め, 1例が好中球減少のためVGCVを中止した. 【結論】本研究の用量は高リスクでは有効性が低く用量が不十分であるが, 中等度リスクでは有効性と安全性の面で至適量である可能性が示唆された.
ISSN:0915-2245