骨変化の形態画像診断と機能解析に関する基礎的研究
「緒言」骨内に生じた実際の骨変化はX線画像上にコントラスト変化と, 形態変化として間接的に描出される. この画像上の変化は主として骨塩の変動によるもので, 従来よりスクリーン系のX線フィルムにおいて40~50%の骨塩の変動が生じた時, 初めて我々はX線像上で, 異常所見として視覚的に認識することができると云われている. しかし, この数字は臨床的経験から推測されたものであって, 実験的に証明されたものではない. また骨変化の視覚的画像評価, 物理的画像評価に関する報告は多いが, そのほとんどは間接的に描出されたX線画像のみを対象に定量評価したもので, 実際の骨塩の変動との関係について検索した報...
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Published in | 神奈川歯学 Vol. 24; no. 1; pp. 139 - 156 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
神奈川歯科大学学会
30.06.1989
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ISSN | 0454-8302 |
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Summary: | 「緒言」骨内に生じた実際の骨変化はX線画像上にコントラスト変化と, 形態変化として間接的に描出される. この画像上の変化は主として骨塩の変動によるもので, 従来よりスクリーン系のX線フィルムにおいて40~50%の骨塩の変動が生じた時, 初めて我々はX線像上で, 異常所見として視覚的に認識することができると云われている. しかし, この数字は臨床的経験から推測されたものであって, 実験的に証明されたものではない. また骨変化の視覚的画像評価, 物理的画像評価に関する報告は多いが, そのほとんどは間接的に描出されたX線画像のみを対象に定量評価したもので, 実際の骨塩の変動との関係について検索した報告は少ない. 最近, 三辺はヒト大腿骨ブロックを用いて, 骨梁変化をRMS法(物理的評価法)と検出能評価法(視覚的評価法)を用いて定量評価しているが, 実際の骨塩の変動との関係については検討されていないので, 実験材料に対する客観的, 定量的裏付けが乏しいように思われた. |
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ISSN: | 0454-8302 |