歯科矯正治療のためのSkeletal Anchorage Systemの使用経験

Skeletal Anchorage System(SAS)用プレートの埋入を行い, 少なくとも6ヶ月以上経過観察が出来た22人(13-49歳, 平均25.1歳)についての経験を報告した. SAS使用目的で最も多かったのは大臼歯の遠心移動で, 症例別では開咬症例が最も多かった. 最も多く認められた合併症はプレート周囲炎で28.3%の患者に認められた. プレート埋入部位単位では32.1%の埋入部位に何らかの炎症が認められた. しかし, これら炎症の発症と局所清掃状態との関連性は認められなかった. SASは従来の歯科矯正単独では困難と考えられてきた臼歯関係の改善などに効果的に使用可能であるが, 長...

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Published in九州歯科学会雑誌 Vol. 57; no. 4; pp. 114 - 115
Main Authors 土生学, 冨永和宏, 藤田弥千, 吉岡泉, 福田仁一, 永山純一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 九州歯科学会 25.08.2003
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Summary:Skeletal Anchorage System(SAS)用プレートの埋入を行い, 少なくとも6ヶ月以上経過観察が出来た22人(13-49歳, 平均25.1歳)についての経験を報告した. SAS使用目的で最も多かったのは大臼歯の遠心移動で, 症例別では開咬症例が最も多かった. 最も多く認められた合併症はプレート周囲炎で28.3%の患者に認められた. プレート埋入部位単位では32.1%の埋入部位に何らかの炎症が認められた. しかし, これら炎症の発症と局所清掃状態との関連性は認められなかった. SASは従来の歯科矯正単独では困難と考えられてきた臼歯関係の改善などに効果的に使用可能であるが, 長期にわたる管理法をさらに検討してゆく必要があると考えられた.
ISSN:0368-6833