赤血球凍結保存時の血球内2,3-DPGについて

赤血球の代謝には従来ATPが重視されていたが, 最近では解糖系の中間代謝産物で含有量の多い2,3-DPGが注目されて来た. この2,3-DPGは還元ヘモグロビンの酸素を組織へ放出しやすくする性質があると云われている. そこで赤血球の4℃保存時, 及び凍結保存時の血球内2,3-DPGとATPの変化を調べてみた. (方法)2,3-DPGとATPの定量を行なうにはSigma社の2,3-DPG測定キットとATP測定キットを用い, 光電比色計の340mμで定量を行った. また赤血球の凍結保存には, Huggins法に準じた-80℃の緩慢凍結法を行った. すなわちプラスチックのバッグに2単位分の赤血球を入...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 22; no. 1/2; pp. 35 - 37
Main Authors 三浦健, 関口弥, 遠山博, 隅田幸男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 1976
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Summary:赤血球の代謝には従来ATPが重視されていたが, 最近では解糖系の中間代謝産物で含有量の多い2,3-DPGが注目されて来た. この2,3-DPGは還元ヘモグロビンの酸素を組織へ放出しやすくする性質があると云われている. そこで赤血球の4℃保存時, 及び凍結保存時の血球内2,3-DPGとATPの変化を調べてみた. (方法)2,3-DPGとATPの定量を行なうにはSigma社の2,3-DPG測定キットとATP測定キットを用い, 光電比色計の340mμで定量を行った. また赤血球の凍結保存には, Huggins法に準じた-80℃の緩慢凍結法を行った. すなわちプラスチックのバッグに2単位分の赤血球を入れ, (8.6Mol Glycerol+8%ブドウ糖+1%果糖)の凍害防止剤を赤血球と等量だけ添加して-80℃のディープフリーザーで凍結した.
ISSN:0546-1448