癌性気道狭窄に対するステント治療の有用性
癌性気道狭窄におけるステント治療の有用性と問題点について検討する. 対象:1998年8月から2004年1月までに癌性気道狭窄に対してステント治療を行った13例. 患者背景は男性10例, 女性3例, 年齢53-77歳, PS3-8例, PS4-5例. 肺癌9例, 原発不明癌3例, 胃癌肺転移1例であり, 狭窄部位は気管7例, 左主気管支5例, 右主気管支1例であった. 狭窄状態は腫瘍浸潤による狭窄4例, 壁外圧迫による狭窄9例, 呼吸状態はHJ-III度4例, HJ-IV度6例, HJ-V度3例であった. 使用したステントはDumon stent1例, Ultraflex stent 11例であ...
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Published in | 気管支学 Vol. 26; no. 3; p. 254 |
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Main Authors | , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本呼吸器内視鏡学会
10.05.2004
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Online Access | Get full text |
ISSN | 0287-2137 |
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Summary: | 癌性気道狭窄におけるステント治療の有用性と問題点について検討する. 対象:1998年8月から2004年1月までに癌性気道狭窄に対してステント治療を行った13例. 患者背景は男性10例, 女性3例, 年齢53-77歳, PS3-8例, PS4-5例. 肺癌9例, 原発不明癌3例, 胃癌肺転移1例であり, 狭窄部位は気管7例, 左主気管支5例, 右主気管支1例であった. 狭窄状態は腫瘍浸潤による狭窄4例, 壁外圧迫による狭窄9例, 呼吸状態はHJ-III度4例, HJ-IV度6例, HJ-V度3例であった. 使用したステントはDumon stent1例, Ultraflex stent 11例であった. 結果:ステント留置後13例中11例にPSの上昇, 呼吸困難の軽減を認めた. 合併症として術中の不整脈1例, 術後の合併症として胸部違和感, 胸痛3例, 喀痰排出困難2例, 術後晩期合併症として喀血4例, 嚥下困難2例, 肺炎1例を認めた. ステント挿入後の生存期間中央値は57日で死因は癌死6例, 喀血4例, 不整脈1例, 他疾患1例であった. まとめ:悪性疾患13例の中枢気道狭窄に対しステント留置術を行い11例に狭窄症状の改善を認めた. 6例においては後治療が可能となり比較的長期生存例もみられた. 合併症として術中の不整脈による死亡例があり, ステント留置術においては症例の全身状態, 狭窄部位の症状, 後治療の可能性等を十分検討して決定すべきである. |
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ISSN: | 0287-2137 |