デノスマブ投与により骨腫瘍との鑑別が困難であった原発性副甲状腺機能亢進症の1例

「要旨」骨折を複数回生じ, 汎発性の骨病変を契機に原発性副甲状腺機能亢進症の診断に至った1例を経験したので報告する. 汎発性の骨病変は, 骨腫瘍が疑われていたが, 精査により原発性副甲状腺機能亢進症の診断となり, brown tumorの可能性が最も考えられた. しかし, 骨病変の生検では, brown tumorに特徴的な破骨細胞様の細胞等を認めず, 診断がつかなかった. 生検前に抗RANKLモノクローナル抗体のデノスマブの投与をしていたことにより, 骨巨細胞腫への作用と類似した組織変化を生じ, 特徴的な組織像が変化した可能性が考えられる....

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Published in新薬と臨牀 Vol. 73; no. 10; pp. 1105 - 1112
Main Authors 鈴木淑能, 吉原彩, 五十嵐まどか, 河越尚幸, 近藤佑子, 山田真奈美, 長田拓哉, 横内幸, 大平征宏, 上芝元
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 医薬情報研究所 10.10.2024
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ISSN0559-8672

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Summary:「要旨」骨折を複数回生じ, 汎発性の骨病変を契機に原発性副甲状腺機能亢進症の診断に至った1例を経験したので報告する. 汎発性の骨病変は, 骨腫瘍が疑われていたが, 精査により原発性副甲状腺機能亢進症の診断となり, brown tumorの可能性が最も考えられた. しかし, 骨病変の生検では, brown tumorに特徴的な破骨細胞様の細胞等を認めず, 診断がつかなかった. 生検前に抗RANKLモノクローナル抗体のデノスマブの投与をしていたことにより, 骨巨細胞腫への作用と類似した組織変化を生じ, 特徴的な組織像が変化した可能性が考えられる.
ISSN:0559-8672