痙性尖足における尖足位の効用

痙性麻痺があって尖足位で歩くことにより生じると考えられた腰痛の訴えやアキレス腱痛それに反張膝のケースにおもいきって, 踵が浮いた状態で接地立脚できるような装具での工夫を施してみた. 腰痛症状が軽減できたのは, 下腿が前傾位になることでアラインメントが変わり, ハムストリングと四頭筋の緊張のバランスが変化し, その結果骨盤傾斜・腰椎の前弯が変わったので腰痛が軽減したと考える. またアキレス腱痛に対しては立脚後期に既に踵が上がっているので, 腓腹筋群の伸張反射が減らせ, アキレス腱の疲労を軽減できたせいと考えている. 歩行能力の変化については膝の反張がとれて床反力が膝の後方になり, 前へ脚を送りだ...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 36; no. 4; p. 255
Main Authors 岡川敏郎, 赤木滋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.04.1999
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ISSN0034-351X

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Summary:痙性麻痺があって尖足位で歩くことにより生じると考えられた腰痛の訴えやアキレス腱痛それに反張膝のケースにおもいきって, 踵が浮いた状態で接地立脚できるような装具での工夫を施してみた. 腰痛症状が軽減できたのは, 下腿が前傾位になることでアラインメントが変わり, ハムストリングと四頭筋の緊張のバランスが変化し, その結果骨盤傾斜・腰椎の前弯が変わったので腰痛が軽減したと考える. またアキレス腱痛に対しては立脚後期に既に踵が上がっているので, 腓腹筋群の伸張反射が減らせ, アキレス腱の疲労を軽減できたせいと考えている. 歩行能力の変化については膝の反張がとれて床反力が膝の後方になり, 前へ脚を送りだしやすくなったせいではないかと考えているが, 検討を要する因子が多くありそうである.
ISSN:0034-351X