乾式フィルムの歯科応用に関する研究 (第一報)

「緒言」 良好なX線写真を得るには, 現像処理の日常的な保守管理が大切である. しかし, 現実には一般的な歯科医院における現像処理の保守管理は, 歯科医師あるいはパラデンタル・スタッフが行わなければならなく, 現像処理にうとい臨床スタッフにとって, その実行はかなり困難である. また, 歯科臨床におけるX線診査は, 根管充填時のように即時性も要求される. したがって, 保守管理の容易な現像システムや急速現像処理法などの開発は, 歯科臨床にとってきわめて有益である. こうした観点から, 本研究では最近, 住友スリーエム社から発売された熱現像方式のINSPEX II乾式X線フィルム(以下, 乾式フ...

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Published in神奈川歯学 Vol. 25; no. 4; pp. 480 - 484
Main Authors 鈴木信一郎, 金子宏, 小林久夫, 鹿島勇, 近藤幸男
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 神奈川歯科大学学会 30.03.1991
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ISSN0454-8302

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Summary:「緒言」 良好なX線写真を得るには, 現像処理の日常的な保守管理が大切である. しかし, 現実には一般的な歯科医院における現像処理の保守管理は, 歯科医師あるいはパラデンタル・スタッフが行わなければならなく, 現像処理にうとい臨床スタッフにとって, その実行はかなり困難である. また, 歯科臨床におけるX線診査は, 根管充填時のように即時性も要求される. したがって, 保守管理の容易な現像システムや急速現像処理法などの開発は, 歯科臨床にとってきわめて有益である. こうした観点から, 本研究では最近, 住友スリーエム社から発売された熱現像方式のINSPEX II乾式X線フィルム(以下, 乾式フィルムという)を用いて, この新しい感光材料が歯科診療へ応用できるか, その可能性について実験的に検討した. 乾式フィルムは133℃で加熱するだけで現像でき, 現像時間は6秒である. そのため, 薬液による環境汚染はなく, 乳剤面にふれても指紋が現像されないなど, とり扱いが簡単なことが特徴とされている.
ISSN:0454-8302