循環器疾患の危険因子としてのAKIとCKD ―(3)CKDと心疾患の2次予防

「はじめに」 狭心症や心筋梗塞を代表とする虚血性心疾患は, わが国の成人における主たる死因の1つであり, その予防は極めて大きなテーマです. 喫煙, 肥満, 高血圧, 糖尿病, 高脂血症などの危険因子が広く認識されてきましたが, 最近では, これに加えて慢性腎臓病(chronic kidney diesease;CKD)が, 新たな危険因子として認識され, 心臓・腎臓連関, 心腎連関として注目されるようになってきました. CKDとは, 前回の放送で示されていますように糸球体濾過値(glomerular filtration rate;GFR)が, 60mL/分以下に低下した状態や, 蛋白尿など...

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Published in心臓 Vol. 43; no. 6; pp. 839 - 842
Main Author 堅村信介
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本心臓財団 15.06.2011
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ISSN0586-4488

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Summary:「はじめに」 狭心症や心筋梗塞を代表とする虚血性心疾患は, わが国の成人における主たる死因の1つであり, その予防は極めて大きなテーマです. 喫煙, 肥満, 高血圧, 糖尿病, 高脂血症などの危険因子が広く認識されてきましたが, 最近では, これに加えて慢性腎臓病(chronic kidney diesease;CKD)が, 新たな危険因子として認識され, 心臓・腎臓連関, 心腎連関として注目されるようになってきました. CKDとは, 前回の放送で示されていますように糸球体濾過値(glomerular filtration rate;GFR)が, 60mL/分以下に低下した状態や, 蛋白尿などの尿異常が持続している状態と定義されており, わが国には1,000万人前後の人たちがこの状態にあることが判明し, 新たな国民病とさえいわれるようになってきました. GFRが低いほど, あるいは, 蛋白尿が多いほど腎機能障害の進行速度が早いことが判明しています.
ISSN:0586-4488