記述的観察研究に基づいた, COVID-19流行下における小児下気道感染症入院例の喀痰から分離されたStreptococcus pneumoniaeおよびHaemophilus influenzaeの薬剤感受性の検討

「抄録」背景:COVID-19の流行下でのStreptococcus pneumoniae(SP)とHaemophilus influenzae(HI)の薬剤感受性薬剤感受性のデータが日本国内においてほとんどない. 方法:2020年1月~2022年3月(コロナ流行下)の当院小児科における下気道感染症入院例の喀痰から分離されたSPとHIの薬剤感受性について検討した. 結果:コロナ禍で計188の株を調査し, SPではペニシリン耐性菌の割合は約半数で, HIではβラクタマーゼ非産生アンピリシン耐性(BLNAR: β-lactamase negative ampicillin resistance)の...

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Published in川崎医学会誌 Vol. 50; pp. 19 - 28
Main Authors 近藤篤史, 大石智洋, 北野太一, 井上智貴, 加藤敦, 田中孝明, 中野貴司
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 川崎医学会 2024
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ISSN0386-5924

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Summary:「抄録」背景:COVID-19の流行下でのStreptococcus pneumoniae(SP)とHaemophilus influenzae(HI)の薬剤感受性薬剤感受性のデータが日本国内においてほとんどない. 方法:2020年1月~2022年3月(コロナ流行下)の当院小児科における下気道感染症入院例の喀痰から分離されたSPとHIの薬剤感受性について検討した. 結果:コロナ禍で計188の株を調査し, SPではペニシリン耐性菌の割合は約半数で, HIではβラクタマーゼ非産生アンピリシン耐性(BLNAR: β-lactamase negative ampicillin resistance)の割合が約6割であった. 抗菌薬使用例は, SP検出例に比べHI検出例で有意に多く, HI検出例ではペニシリン系抗菌薬使用例でBLNARの検出が有意に高くなっていた. 結論:コロナ流行下においても, SPとHIにおいて一定の割合でペニシリン耐性菌が検出されており, 抗菌薬適正使用のためには継続的な疫学調査が必要である. また, HIにおいては, ペニシリン系薬の使用が薬剤感受性に影響を与えた可能性が示唆された.
ISSN:0386-5924