側頭骨含気容量の測定―CTおよびコンピューター画像処理を用いて

「1. はじめに」側頭骨含気峰巣に関連して多くの報告がなされていた. 含気部の容積を定量的に検討したものの中には物理的原理を用いて測定したもの1)や単純耳X線で基準をつくり大体の容積を算出したもの2)~5)などがあった. しかし, 前者に関する方法では鼓膜に何らかの処置を行う必要があり実地臨床での施行が難しい. また, 後者の計測は二次元的写真からの経験的概算であり事実とどれぐらい合致するか不確かである. 耳疾患と含気峰巣の関連を議論するには, 生体において, しかも三次元的な測定が必要である. この要求に答えうる技術の発達が側頭骨高空間分解能CTの発達と, コンピューターによる三次元的計測の...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 97; no. 11; pp. 2103 - 2191
Main Authors 磯野道夫, 村田清高, 東博二, 伊東明彦, 田中久哉, 川本亮
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本耳鼻咽喉科学会 20.11.1994
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ISSN0030-6622

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Summary:「1. はじめに」側頭骨含気峰巣に関連して多くの報告がなされていた. 含気部の容積を定量的に検討したものの中には物理的原理を用いて測定したもの1)や単純耳X線で基準をつくり大体の容積を算出したもの2)~5)などがあった. しかし, 前者に関する方法では鼓膜に何らかの処置を行う必要があり実地臨床での施行が難しい. また, 後者の計測は二次元的写真からの経験的概算であり事実とどれぐらい合致するか不確かである. 耳疾患と含気峰巣の関連を議論するには, 生体において, しかも三次元的な測定が必要である. この要求に答えうる技術の発達が側頭骨高空間分解能CTの発達と, コンピューターによる三次元的計測の実現により可能となった. 本論文はデジタル画像処理の手法を用いてCT画像からその容量を計算する方法を開発したものである. 本論文では主にこの容量の計算方法について述べる. 本法による結果を諸家の報告と比較検討し, 本法の有用性についても言及する.
ISSN:0030-6622