変形性足関節症におけるX線学的検討―内反型と外反型の相違について

「はじめに」変形性足関節症(以下, OAと記す)はその多くが外傷や関節炎などに続発して発症する. 一方, 原因疾患が明らかでないOAも存在し, この場合足関節に形態的特徴があるという報告がなされている1)2)6). 当科における明らかな原因のないOAについて検討すると, 脛骨に対し距骨が内反している内反型と, 外反している外反型の2つのタイプが認められたが(図1), これまではこれらを区別してそれぞれの病態について倹討されていない. 今回の研究の目的は, OAにおけるX線学的検討を特に内反型と外反型の相違に注目して行うことである. 対象と方法 対象は当科においてOAと診断されたものの中で原因疾...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 46; no. 4; pp. 966 - 970
Main Authors 田代宏一郎, 寺本司, 宮本力, 鈴木良平
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.1997
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」変形性足関節症(以下, OAと記す)はその多くが外傷や関節炎などに続発して発症する. 一方, 原因疾患が明らかでないOAも存在し, この場合足関節に形態的特徴があるという報告がなされている1)2)6). 当科における明らかな原因のないOAについて検討すると, 脛骨に対し距骨が内反している内反型と, 外反している外反型の2つのタイプが認められたが(図1), これまではこれらを区別してそれぞれの病態について倹討されていない. 今回の研究の目的は, OAにおけるX線学的検討を特に内反型と外反型の相違に注目して行うことである. 対象と方法 対象は当科においてOAと診断されたものの中で原因疾患の明らかでない25関節である. 内訳は脛骨遠位天蓋に対し距骨滑車が内反している内反型OA17関節(男性8関節, 女性9関節, 年齢51歳~71歳, 平均59.9歳), 脛骨遠位天蓋に対し距骨滑車が外反している外反型OA8関節(男性2関節, 女性6関節, 年齢51歳~75歳, 平均63.6歳)であった. 関節裂隙が完全に消失し, タイプ分けが不可能であるものは除外した. また, X線学的に関節症変化のない20関節(男性10関節, 女性10関節, 年齢38歳~65歳, 平均51.2歳)を対照群とした. 計測項目は以下の通りである.
ISSN:0037-1033