術前に早期胃癌と診断したH.pylori陰性進行胃癌の1例
「はじめに」 胃癌の多くはHelicobacter pylori(H.pylori)感染による慢性胃炎を背景に発症する. しかしながら, 稀ではあるがH.pyloni陰性胃癌も存在する. 今回, 我々は複数検査所見よりH.pylori未感染が考えられ, 術前に早期胃癌と診断した未分化型の陥凹性進行胃癌の1例を経験したので報告する. 「症例」 患者 : 52歳, 女性. 主訴 : 咽頭つかえ感. 既往歴 : 特記事項なし. 除菌歴なく, proton pump inhibitor(PPI)内服歴もない. 現病歴 : 咽頭つかえ感を主訴に田園調布中央病院来院. 2011年10月に上部消化管内視鏡検...
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Published in | Progress of Digestive Endoscopy(2001年から) Vol. 85; no. 1; pp. 80 - 82 |
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Main Authors | , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本消化器内視鏡学会関東支部会
06.12.2014
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Summary: | 「はじめに」 胃癌の多くはHelicobacter pylori(H.pylori)感染による慢性胃炎を背景に発症する. しかしながら, 稀ではあるがH.pyloni陰性胃癌も存在する. 今回, 我々は複数検査所見よりH.pylori未感染が考えられ, 術前に早期胃癌と診断した未分化型の陥凹性進行胃癌の1例を経験したので報告する. 「症例」 患者 : 52歳, 女性. 主訴 : 咽頭つかえ感. 既往歴 : 特記事項なし. 除菌歴なく, proton pump inhibitor(PPI)内服歴もない. 現病歴 : 咽頭つかえ感を主訴に田園調布中央病院来院. 2011年10月に上部消化管内視鏡検査で胃に印環細胞癌を認めた. CT検査で転移なく, 同年12月術前に早期胃癌と診断の下, 腹腔鏡下幽門側胃切除術を施行. 血液検査所見 : 総蛋白の軽度低下以外, 異常値はなく, 血清抗HP IgG抗体3.0U/ml未満と陰性でpepsinogen(PG)IIは高値であったが, PG I, PG I/II比はいずれも正常. |
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ISSN: | 1348-9844 |