一側性副鼻腔疾患のCT像

49症例の一側性副鼻腔疾患のCT像を検討し, その特徴をまとめた. 骨破壊を示すものは悪性疾患が多いが, 良性疾患でも副鼻腔真菌症, 副鼻腔乳頭腫では骨破壊と同時に骨肥厚もみとめる. また, 上顎洞の軟部組織陰影のCT値にて良性, 悪性の鑑別は不可能であるが, 石灰化, 濃淡不均一を示した症例は, 副鼻腔真菌症および上顎洞腺癌であり診断上重要である. 上顎洞後壁の骨肥厚は人工産物であるとの説もあるが, 単にそれだけでは説明できない症例もあり, 臨床的には良性疾患を示す有用な所見であると思われる....

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 88; no. 8; pp. 1040 - 1123
Main Authors 大平真司, 有賀秀治, 石田稔, 家根且有, 兵行和
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本耳鼻咽喉科学会 20.08.1985
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Summary:49症例の一側性副鼻腔疾患のCT像を検討し, その特徴をまとめた. 骨破壊を示すものは悪性疾患が多いが, 良性疾患でも副鼻腔真菌症, 副鼻腔乳頭腫では骨破壊と同時に骨肥厚もみとめる. また, 上顎洞の軟部組織陰影のCT値にて良性, 悪性の鑑別は不可能であるが, 石灰化, 濃淡不均一を示した症例は, 副鼻腔真菌症および上顎洞腺癌であり診断上重要である. 上顎洞後壁の骨肥厚は人工産物であるとの説もあるが, 単にそれだけでは説明できない症例もあり, 臨床的には良性疾患を示す有用な所見であると思われる.
ISSN:0030-6622