痰吸引トレーニングシミュレータのための痰吸引量およびカテーテル接触荷重リアルタイム計測装置の開発

「要旨」粘膜損傷等のリスクが存在する気管内吸引の安全確保のためには, 治療効果と侵襲度を定量化しながら生体反応をリアルタイムに再現できるシミュレータが必須である. そこで本研究では, 4ゲージロードセルと気道モデルを組み合わせることで痰吸引量とカテーテル接触荷重および接触位置情報をリアルタイム計測できるシステムを試作した. 本システムを熟練者3名による10秒間の吸引操作時における吸引量および接触荷重の測定に適用した結果, 1回当たりの痰吸引量は0.75±0.43×10-3kg, 荷重の上限値は-165.6~234.8×10-3Nとなり, 治療効果と侵襲度の定量評価が可能であることが確認された....

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Published in日本シミュレーション医療教育学会雑誌 Vol. 6; pp. 92 - 98
Main Authors 二宮伸治, コリー紀代, 小水内俊介, 近野敦, 金井理, 高橋望, 浅賀忠義
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本シミュレーション医療教育学会 18.09.2018
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Summary:「要旨」粘膜損傷等のリスクが存在する気管内吸引の安全確保のためには, 治療効果と侵襲度を定量化しながら生体反応をリアルタイムに再現できるシミュレータが必須である. そこで本研究では, 4ゲージロードセルと気道モデルを組み合わせることで痰吸引量とカテーテル接触荷重および接触位置情報をリアルタイム計測できるシステムを試作した. 本システムを熟練者3名による10秒間の吸引操作時における吸引量および接触荷重の測定に適用した結果, 1回当たりの痰吸引量は0.75±0.43×10-3kg, 荷重の上限値は-165.6~234.8×10-3Nとなり, 治療効果と侵襲度の定量評価が可能であることが確認された. また接触荷重の変化を可視化できることから操作の良否についての詳細な情報を得られることがわかった. 今後, 生体反応を模擬する仮想患者モデルと接続することで, よりリアルなトレーニング環境を構築できる可能性が示唆された.
ISSN:2187-9281