感染症対策において薬剤師に期待すること, 薬学の役割

新型コロナウイルスにより, 世界が未曾有の危機に晒される中, 国内では多くの医療・福祉従事者の懸命な治療活動により感染症による影響は最小限に留まっています. この未知のウイルスと最前線で立ち向かう医療従事者の貢献に対して, 社会から数多くの賛辞が送られました. しかし残念ながら, 感謝と敬意を集める医療従事者は, 主に医師や看護師であり, 薬剤師の姿はみえてきません. また, 感染症に有効な治療薬やワクチンの開発に大きな期待がかかる中, マスコミ等に「クスリ」の専門家として登場するのは大半が医師です. もちろん病態に対する知識・経験は医師が専門ですが, 公衆衛生, 薬物治療や医薬品開発の専門家...

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Published in薬剤学 Vol. 81; no. 3; p. 254
Main Author 中川舞奈香
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本薬剤学会 01.07.2021
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ISSN0372-7629

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Summary:新型コロナウイルスにより, 世界が未曾有の危機に晒される中, 国内では多くの医療・福祉従事者の懸命な治療活動により感染症による影響は最小限に留まっています. この未知のウイルスと最前線で立ち向かう医療従事者の貢献に対して, 社会から数多くの賛辞が送られました. しかし残念ながら, 感謝と敬意を集める医療従事者は, 主に医師や看護師であり, 薬剤師の姿はみえてきません. また, 感染症に有効な治療薬やワクチンの開発に大きな期待がかかる中, マスコミ等に「クスリ」の専門家として登場するのは大半が医師です. もちろん病態に対する知識・経験は医師が専門ですが, 公衆衛生, 薬物治療や医薬品開発の専門家は薬学を学んだ薬剤師であるはずです. 今回の新型コロナウイルスのパンデミックで起こった様々な出来事から, 薬剤師が「クスリ」がない状況下で感染症対策にどのように貢献できるのか考えてみたいと思います.
ISSN:0372-7629