乳幼児のう蝕減少に関するアンケート調査結果について

福岡市歯科医師会では, 福岡市で行っている乳幼児歯科健診の1982年からの延べ622,234人のデータを分析し, 乳幼児のう蝕が減少してきていることを報告してきた. 今回は歯科医療従事者や乳幼児の保護者を対象に乳幼児のう蝕が減少した要因をどのように考えているか, また保護者が実際にう蝕を防ぐためにどのようなことを行っているかを調べる目的でアンケート調査を行った. 保護者へのアンケートは, 歯科医師会が後援しているサンスターのイベント2001年度『いい歯きらめきキャンペーン』に来場した775名に行った. 医療従事者へのアンケートは, 福岡市歯科医師会の協力者115名に行った. 保護者と歯科医師の...

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Published in口腔衛生学会雑誌 Vol. 51; no. 5; p. 850
Main Authors 木村慎一, 秋山治夫, 柏木伸一郎, 久保田悦夫, 三島公彦, 鎮守信弘, 矢田育男, 田中秀樹, 筒井昭仁, 宮之脇剛一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本口腔衛生学会 30.10.2001
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ISSN0023-2831

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Summary:福岡市歯科医師会では, 福岡市で行っている乳幼児歯科健診の1982年からの延べ622,234人のデータを分析し, 乳幼児のう蝕が減少してきていることを報告してきた. 今回は歯科医療従事者や乳幼児の保護者を対象に乳幼児のう蝕が減少した要因をどのように考えているか, また保護者が実際にう蝕を防ぐためにどのようなことを行っているかを調べる目的でアンケート調査を行った. 保護者へのアンケートは, 歯科医師会が後援しているサンスターのイベント2001年度『いい歯きらめきキャンペーン』に来場した775名に行った. 医療従事者へのアンケートは, 福岡市歯科医師会の協力者115名に行った. 保護者と歯科医師のアンケートを比較すると, 歯科医師はう蝕予防には家庭での『保護者管理』が重要だと考えているのに対して, 保護者側では『定期健診』『フッ素』などのプロフェッショナルケアを重視しているという結果になった. 今後は, 保護者側の定期健診やプロフェッショナルケアのニーズに対する受け入れ態勢を歯科医側が整えアピールしていくことで, 乳幼児のより効果的なう蝕予防や健康管理が可能になるのではないかと思われる.
ISSN:0023-2831