H.pylori未感染胃に発生した早期胃癌の1例

「はじめに」 本邦における胃癌の多くは, Helicobacter pylori(H.pylori)感染による胃粘膜の慢性炎症を背景に発生する. 今回, 胃底腺ポリープの併存を認めたH.pylori未感染胃に発生した早期胃癌の1例を経験したので報告する. 「症例」 患者 : 62歳, 女性. 主訴 : なし. 既往歴 : 逆流性食道炎. 現病歴 : 2014年3月, 近医にて上部消化管内視鏡検査を施行され, 体下部大彎に10mm程度の褪色調陥凹性病変を認めた. 同部位の生検にてGroup 5(signet ring cell carcinoma)と診断されるとともに鏡検にてH.pyloriの菌...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy(2001年から) Vol. 86; no. 1; pp. 144 - 146
Main Authors 保坂尚志, 飯島美砂, 秋谷寿一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本消化器内視鏡学会関東支部会 13.06.2015
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ISSN1348-9844

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Summary:「はじめに」 本邦における胃癌の多くは, Helicobacter pylori(H.pylori)感染による胃粘膜の慢性炎症を背景に発生する. 今回, 胃底腺ポリープの併存を認めたH.pylori未感染胃に発生した早期胃癌の1例を経験したので報告する. 「症例」 患者 : 62歳, 女性. 主訴 : なし. 既往歴 : 逆流性食道炎. 現病歴 : 2014年3月, 近医にて上部消化管内視鏡検査を施行され, 体下部大彎に10mm程度の褪色調陥凹性病変を認めた. 同部位の生検にてGroup 5(signet ring cell carcinoma)と診断されるとともに鏡検にてH.pyloriの菌体は認めなかった. 同年4月, 当院紹介受診となった. 入院時現症 : 特記事項なし. 血液検査所見 : 血算, 生化学検査で異常は認めず, 腫瘍マーカー(CEA, CA19-9)は正常範囲内であった. 血清H.pylori IgG抗体は陰性(<3.0U/ml)であった.
ISSN:1348-9844