トランスファーファクターに関する研究

Transfer factor(TF)は, 1954年に感作末梢白血球由来の細胞性免疫能伝達因子として, Lawrenceによってみいだされた. さらに臨床的応用は, 1970年Levinらによって, 初めてWiskott Aldrich症候群に使用され, 遅延型過敏性皮膚反応の獲得と臨床症状の改善に役立つことが報告された. 現在では一次性或いは二次性の細胞性免疫反応の欠陥を主たる要因とする多くの疾患に使用されつつある. 我々は, 厚生省免疫不全症候群調査研究班の依頼によって, TFの試作をおこなってきたが, 今回は, 作成に関する基礎的に検討してきた事項につき報告する. 1. 作成法 正常人...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 26; no. 1/3; pp. 172 - 173
Main Authors 伊藤碩候, 黒田誠, 大村進, 溝口勝彦, 松本脩三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.05.1980
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ISSN0546-1448

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Summary:Transfer factor(TF)は, 1954年に感作末梢白血球由来の細胞性免疫能伝達因子として, Lawrenceによってみいだされた. さらに臨床的応用は, 1970年Levinらによって, 初めてWiskott Aldrich症候群に使用され, 遅延型過敏性皮膚反応の獲得と臨床症状の改善に役立つことが報告された. 現在では一次性或いは二次性の細胞性免疫反応の欠陥を主たる要因とする多くの疾患に使用されつつある. 我々は, 厚生省免疫不全症候群調査研究班の依頼によって, TFの試作をおこなってきたが, 今回は, 作成に関する基礎的に検討してきた事項につき報告する. 1. 作成法 正常人で, 献血者よりえた末梢白血球40人分をプールしたものを材料として用いている. その他, 臨床家の依頼によって, leukemia, hepatitis, herpes-zosterなどの回復したdonorから得る場合もある.
ISSN:0546-1448