Multifocal demyelinating neuropathy with persistent conduction block(Lewis-Sumner syndrome)の1例

「要旨」Multifocal demyelinating neuropathy with persistent conduction block(Lewis-Sumner syndrome)の1例を報告した. OKT4/8比とTリンパ球幼若化反応の低下, 抗ミエリンIgG抗体陽性を認め, 病態と免疫の関連が考えられた. 各種治療を施行し次の結果を得た. 1)Predonisolone(PSL)投与でconduction block(CB)改善を認めたが握力は変化せず, PSLの効果は不十分であった. 2)PSLとcyclophosphamide(CP)の併用投与でCBはさらに改善したが握力は変...

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Published in医療 Vol. 48; no. 2; pp. 140 - 144
Main Authors 井原雄悦, 早原敏之, 難波玲子, 信国圭吾, 佐藤圭子, 宮田信司, 黒田重利
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 国立医療学会 01.02.1994
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Summary:「要旨」Multifocal demyelinating neuropathy with persistent conduction block(Lewis-Sumner syndrome)の1例を報告した. OKT4/8比とTリンパ球幼若化反応の低下, 抗ミエリンIgG抗体陽性を認め, 病態と免疫の関連が考えられた. 各種治療を施行し次の結果を得た. 1)Predonisolone(PSL)投与でconduction block(CB)改善を認めたが握力は変化せず, PSLの効果は不十分であった. 2)PSLとcyclophosphamide(CP)の併用投与でCBはさらに改善したが握力は変化しなかった. しかし白血球減少によるCPの中止でCB悪化と握力低下を認め, 併用投与が症状の進行を抑制する可能性が示唆された. CPは副作用のため長期投与には不適と考えられた. 3)PSLとmizoribine(MZB)の併用投与ではCBの改善と抗ミエリン抗体陰性化を認めたが, 握力は徐々に低下した. MZBは副作用は認めなかったが効果は不十分と考えられた. 4)現在γ-globulin投与を行っているが効果は認められていない. Multifocal demyelinating neuropathy with persistent conduction block(Lewis-Sumner syndrome)1)は運動ニューロン疾患類似の症状を呈し, しかも治療可能な症例もあることから近年注目されている2)~4).
ISSN:0021-1699