Dimensionタクロリムス試薬 (TAC) の改善点および新たな注意点 - 低濃度域における精密性とEDTAの影響

「要旨」Affinity column mediated immune assay (ACMIA) 法を原理とするフレックスカートリッジタクロリムスTACR試薬は, 低濃度域の再現性が問題視されていた. 今回, 我々は, 低濃度域の精密性が改良されたフレックスカートリッジタクロリムスTAC試薬と従来法について性能を比較検討した. 同時再現性および日差再現性は, それぞれ変動係数 (CV) 3.1~6.2%および2.8~5.7%であり, 実効感度はTAC 1.1ng/mL, TACR 2.6ng/mLと低濃度域における再現性が大幅に改善された. 希釈直線性においては, 28.2ng/mLまで原点...

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Published in医学検査 Vol. 66; no. 3; pp. 242 - 247
Main Authors 土筆智晶, 勝又美波, 青柳ひとみ, 内田一弘, 棟方伸一, 石井直仁, 片桐真人, 狩野有作
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本臨床衛生検査技師会 25.05.2017
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ISSN0915-8669

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Summary:「要旨」Affinity column mediated immune assay (ACMIA) 法を原理とするフレックスカートリッジタクロリムスTACR試薬は, 低濃度域の再現性が問題視されていた. 今回, 我々は, 低濃度域の精密性が改良されたフレックスカートリッジタクロリムスTAC試薬と従来法について性能を比較検討した. 同時再現性および日差再現性は, それぞれ変動係数 (CV) 3.1~6.2%および2.8~5.7%であり, 実効感度はTAC 1.1ng/mL, TACR 2.6ng/mLと低濃度域における再現性が大幅に改善された. 希釈直線性においては, 28.2ng/mLまで原点を通る良好な直線性を示した. 従来法との相関は回帰式y=1.06x-0.1, n=79, 相関係数r=0.959, p<0.0001と良好な結果が得られた. 今回注視すべき点は, EDTA全血を対象としているがEDTAによる影響が添付文書に追加されたことである. この影響は, 採血量が1/2量に相当する3.0mg/mLで42.3%減少し, 濃度依存的に影響が観察された. 本試薬は, 低濃度域における精確性の向上により, 近年, 低濃度域におけるtacrolimus濃度のモニタリングにも対応し, 日常検査においてさらに有用な試薬であると考えられた. しかし, EDTA濃度に影響を受けることから, 規定量の採血量を厳守することは重要となる.
ISSN:0915-8669