迷走神経背側運動核機能に対する三叉神経刺激の影響

「緒言」身体機能において, 自律神経系は生体が生命現象を保っている以上, 絶えず働き, 微妙なホメナスタシス機構の大きな担い手のひとつであるとされ, 身体内で生ずる最もプリミティブで最も感度の高い反応因子である. それ故臨床家たちは, 患者の状態を注意深くチェックするのである. しかしながらこのような自律神経の重要性にもかかわらず, その解明は, 頸動脈洞反射のような精密な反射を除いては, 体性神経系のような神経生理学的な積み上げのようには至っていない. そして自律神経と体性神経との間の関連, 特に機能的意義を明確にした実験的研究は非常に少ない. Autonomic nerve system(...

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Published in神奈川歯学 Vol. 22; no. 4; pp. 687 - 700
Main Authors 梶原景正, 菅谷英一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 神奈川歯科大学学会 30.03.1988
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ISSN0454-8302

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Summary:「緒言」身体機能において, 自律神経系は生体が生命現象を保っている以上, 絶えず働き, 微妙なホメナスタシス機構の大きな担い手のひとつであるとされ, 身体内で生ずる最もプリミティブで最も感度の高い反応因子である. それ故臨床家たちは, 患者の状態を注意深くチェックするのである. しかしながらこのような自律神経の重要性にもかかわらず, その解明は, 頸動脈洞反射のような精密な反射を除いては, 体性神経系のような神経生理学的な積み上げのようには至っていない. そして自律神経と体性神経との間の関連, 特に機能的意義を明確にした実験的研究は非常に少ない. Autonomic nerve system(自律神経系)という言葉は, いわば機能解剖学上の知見から遠心系に重点を置いてまとめられたものといえるが, 自律神経系も体性神経と同様に反射弓を基本として構成されていることから, 中枢神経系における自律性統合がより重要となってくる.
ISSN:0454-8302