心房細動の予防と治療-(2)ワルファリンの適応と効果

「はじめに」心房細動は心室細動と異なり, 不整脈自体で急死することはありませんが, その分, 長期間にわたり, じょうずにつきあっていくことが必要です. 心房細動の2大合併症には, 心不全と血栓塞栓症があります. 血栓塞栓症とは, 心臓の中でできた血のかたまりが心臓から飛んで血管につまる病気です. なかでも脳血管につまった場合には, 命にかかわったり, その後の生活に与える影響が非常に大きく, 言葉が不自由になったり寝たきりになることも少なくありません. 心房は通常心室へ血液を送る働きをしていますが, 心房細動では細かく震えているような状態となっているため, 心房に血液が滞り, 血栓ができやす...

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Published in心臓 Vol. 43; no. 9; pp. 1259 - 1262
Main Author 是恒之宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本心臓財団 15.09.2011
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ISSN0586-4488

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Summary:「はじめに」心房細動は心室細動と異なり, 不整脈自体で急死することはありませんが, その分, 長期間にわたり, じょうずにつきあっていくことが必要です. 心房細動の2大合併症には, 心不全と血栓塞栓症があります. 血栓塞栓症とは, 心臓の中でできた血のかたまりが心臓から飛んで血管につまる病気です. なかでも脳血管につまった場合には, 命にかかわったり, その後の生活に与える影響が非常に大きく, 言葉が不自由になったり寝たきりになることも少なくありません. 心房は通常心室へ血液を送る働きをしていますが, 心房細動では細かく震えているような状態となっているため, 心房に血液が滞り, 血栓ができやすくなるのです. 本日は, 心房細動の中でも, 特に脳梗塞になりやすい人とはどういう人か, その予防に必要な内服薬ワルファリンとはどういうお薬で, 服用する場合どういったことに注意しなければならないかについてお話したいと思います.
ISSN:0586-4488