東京地区におけるHelicobacter pylori一次・二次除菌率の長期推移
2000年, 胃・十二指腸潰瘍症例を対象に一次除菌治療が保険適用として認められたのを皮切りに, 2007年二次除菌治療が保険適用に, さらには2013年すべてのHelicobacter pylori感染症が保険適用となり, 胃がん予防を目的としたピロリ菌全除菌時代へと日本は大きく舵を切った. 一方で, クラリスロマイシン耐性菌の増加に伴う一次除菌率の低下は深刻であった. 2015年に上市されたボノプラザンは強く持続的な胃酸分泌抑制効果を有し, Helicobacter pylori感染症診療に多大なインパクトを与えている. ボノプラザンは, 酸による活性化を必要とせず, カリウムイオンに競合す...
Saved in:
Published in | 日本ヘリコバクター学会誌 Vol. 25; no. 2; pp. 83 - 84 |
---|---|
Main Authors | , , , , , , , , , , , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本ヘリコバクター学会
15.01.2024
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 2187-8005 2187-8005 |
Cover
Loading…
Summary: | 2000年, 胃・十二指腸潰瘍症例を対象に一次除菌治療が保険適用として認められたのを皮切りに, 2007年二次除菌治療が保険適用に, さらには2013年すべてのHelicobacter pylori感染症が保険適用となり, 胃がん予防を目的としたピロリ菌全除菌時代へと日本は大きく舵を切った. 一方で, クラリスロマイシン耐性菌の増加に伴う一次除菌率の低下は深刻であった. 2015年に上市されたボノプラザンは強く持続的な胃酸分泌抑制効果を有し, Helicobacter pylori感染症診療に多大なインパクトを与えている. ボノプラザンは, 酸による活性化を必要とせず, カリウムイオンに競合する形でプロトンポンプのH+, K+-ATPaseを可逆的に阻害し, 酸分泌抑制作用を発揮する, カリウムイオン競合型アシッドブロッカーであり, 非常に強力かつ酸分泌抑制効果の立ち上がりが早いことが特徴である. |
---|---|
ISSN: | 2187-8005 2187-8005 |