Subrenal capsule assay法による頭頸部扁平上皮癌の薬剤感受性検査―5-FU, FT, UFT, HCFUの比較と免疫組織学的検討

「はじめに」 頭頸部領域に発生する悪性腫瘍の治療は手術と放射線による治療が主体であり, 最近ではこれに化学療法を組み入れた, いわゆる三者併用療法が中心となっている. 機能と形態をできるだけ保存して日常生活や社会復帰の可能な治療を優先させるべきであり, それだけに機能外科や放射線治療の工夫が他領域の治療にくらべて一層求められている. 抗癌剤の併用によっても, 治療成績や機能保存的治療の面で確実に成果を挙げてきたといってよい. 著者らは頭頸部悪性腫瘍の集学的治療において, 個々の癌組織の薬剤感受性を測定した結果を臨床にfeed backして, より効率的な化学療法の体系化を目指してきた. なかで...

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Published in日本耳鼻咽喉科学会会報 Vol. 95; no. 1; pp. 95 - 155
Main Authors 中島格, 宮城司道, 楠本哲也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本耳鼻咽喉科学会 20.01.1992
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Summary:「はじめに」 頭頸部領域に発生する悪性腫瘍の治療は手術と放射線による治療が主体であり, 最近ではこれに化学療法を組み入れた, いわゆる三者併用療法が中心となっている. 機能と形態をできるだけ保存して日常生活や社会復帰の可能な治療を優先させるべきであり, それだけに機能外科や放射線治療の工夫が他領域の治療にくらべて一層求められている. 抗癌剤の併用によっても, 治療成績や機能保存的治療の面で確実に成果を挙げてきたといってよい. 著者らは頭頸部悪性腫瘍の集学的治療において, 個々の癌組織の薬剤感受性を測定した結果を臨床にfeed backして, より効率的な化学療法の体系化を目指してきた. なかでもin vitro法としてのコハク酸脱水素酵素活性阻止試験(SDI法)を用いることにより, 迅速かつ効率的な感受性薬剤の臨床応用を試みた1). また頭頸部癌の中で組織学的に大部分を占める扁平上皮癌では, 病理組織学上の分化度に沿って薬剤感受性を検討し, 低分化型が有意に高い感受性を示すことを明らかにした2).
ISSN:0030-6622