上腕骨大結節, 小結節の骨棘の発生頻度

「はじめに」肩インピンジメントと肩甲骨側の骨棘の発生に関する報告はみられるが1)2)3)4), それと上腕骨側の骨棘の発生に関する報告は少ない. 我々は肩甲骨側のみならず上腕骨側の骨棘の発生とインピンジメントとは関与していると考え, 晒し骨標本を用い, 上腕骨大結節, 小結節の骨棘を肉眼的に調べ, その発生に関与する原因を明らかにするために本研究を行った. 対象 対象は本学第2解剖学講座所有の晒し骨標本138例260肩である. その内訳は男性105例200肩, 女性33例60肩, 年齢は, 推定年齢6例を含む20歳から86歳まで平均58.7歳である. 方法 上腕骨大, 小結節と肩峰の骨棘の有無...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 46; no. 3; pp. 898 - 902
Main Authors 安達耕一, 伊藤信之, 衛藤正雄, 朝長匡, 原寛徳, M. E. Rabbi
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.1997
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」肩インピンジメントと肩甲骨側の骨棘の発生に関する報告はみられるが1)2)3)4), それと上腕骨側の骨棘の発生に関する報告は少ない. 我々は肩甲骨側のみならず上腕骨側の骨棘の発生とインピンジメントとは関与していると考え, 晒し骨標本を用い, 上腕骨大結節, 小結節の骨棘を肉眼的に調べ, その発生に関与する原因を明らかにするために本研究を行った. 対象 対象は本学第2解剖学講座所有の晒し骨標本138例260肩である. その内訳は男性105例200肩, 女性33例60肩, 年齢は, 推定年齢6例を含む20歳から86歳まで平均58.7歳である. 方法 上腕骨大, 小結節と肩峰の骨棘の有無を肉眼的に調べた. すなわち上腕骨側に明らかな骨性の隆起の有る例を骨棘有りと判定した(図1). また, 肩峰の前縁から下面にかけて骨性の隆起が有る例を肩峰の骨棘有りと判定した(図2). 骨棘の発生部位より大, 小結節に骨棘が有る例, 大結節のみに骨棘が有る例, 小結節のみに骨棘が有る例, どちらにも骨棘が無い例の4通りに分類した. 上腕骨長軸方向の写真撮影より上腕骨遠位端顆部前面の接線と結節間溝の接線とのなす角を計測し, 結節間溝の傾きとした(図3). 上腕骨大, 小結節の骨棘の有無と, 年齢, 肩峰の骨棘, 結節間溝の傾きとの関係を検討した.
ISSN:0037-1033