mdxマウス骨格筋におけるdystrophinとβ-dystroglycanの発現の比較検討

【目的】dystrophinopathyの病態解明においてジストロフィン結合糖蛋白(DAG)の存在が注目されている. Duchenne型筋ジストロフィー症(DMD)ではジストロフィン(DP)の欠損とDAGの著減が報告されているが(Ohlendieckら), DAGは保たれるとする報告もみられる(Yoshidaら). 今回われわれはDMDのモデル動物であるmdxマウスを用いて, DPとDAGの1つであるβ-ジストログリカン(β-DG)の発現様式を免疫組織学的に検討した. 【材料と方法】mdxマウス6匹と対照マウス6匹の大腿四頭筋を用いた. DP抗体は羊抗60k-DP抗体(Hoffman博士より供...

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Published inリハビリテーション医学 Vol. 32; no. 12; p. 902
Main Authors 澁谷誠二, 村橋真, 自見隆弘, 若山吉弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本リハビリテーション医学会 18.12.1995
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ISSN0034-351X

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Summary:【目的】dystrophinopathyの病態解明においてジストロフィン結合糖蛋白(DAG)の存在が注目されている. Duchenne型筋ジストロフィー症(DMD)ではジストロフィン(DP)の欠損とDAGの著減が報告されているが(Ohlendieckら), DAGは保たれるとする報告もみられる(Yoshidaら). 今回われわれはDMDのモデル動物であるmdxマウスを用いて, DPとDAGの1つであるβ-ジストログリカン(β-DG)の発現様式を免疫組織学的に検討した. 【材料と方法】mdxマウス6匹と対照マウス6匹の大腿四頭筋を用いた. DP抗体は羊抗60k-DP抗体(Hoffman博士より供与), β-DG抗体は43k-DAGのC末端に対応する合成ペプチドを羊に免疫して得た抗体を使用した. それぞれの抗体を用い蛍光抗体法にて標本を作製, 蛍光顕微鏡にて観察した. 【結果および考察】対照マウスではDP, β-DGともに筋表面膜を連続性に明瞭に染色した. mdxマウスではDPの染色性は高度に低下していたが, β-DGは保たれていた. このことより, β-DG等のDAGはmdxマウス筋細胞膜のutrophinと結合している可能性が考えられ, mdxマウスにおいて臨床症状が軽微である点とあわせて興味がもたれる.
ISSN:0034-351X