(I-P5-6)肢体不自由養護学校における食事に関する調査-摂食相談による教職員の給食に対する認識の違いについて

【目的】本講座では, 某肢体不自由養護学校にて教職員に対し食事介助や訓練法などの摂食相談を行っているが, 新年度には教職員の1/3程度の入れ替わりがあり, 初めて食事介助を行う教職員もいる. そこで, 某養護学校にてこれまでに食事介助の経験のある教職員と初めて食事介助を行う教職員の給食に対する考え方や要望についての違いを知るために調査を行った. 【対象と方法】対象者は前年度に某養護学校にて食事介助の経験のある教職員59名(対象群I)と, 本年度初めて食事介助を行う教職員21名(対象群II)とした. 独自に作成した調査用紙を用い, 本調査を行った. 調査項目は, 摂食相談, 給食の現状, 給食へ...

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Published in日本摂食・嚥下リハビリテーション学会雑誌 Vol. 10; no. 3; p. 380
Main Authors 御田寺優子, 野本たかと, 林佐智代, 妻鹿純一, 後藤田宏也, 田中美恵子, 高見沢健
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本摂食・嚥下リハビリテーション学会 31.12.2006
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ISSN1343-8441

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Summary:【目的】本講座では, 某肢体不自由養護学校にて教職員に対し食事介助や訓練法などの摂食相談を行っているが, 新年度には教職員の1/3程度の入れ替わりがあり, 初めて食事介助を行う教職員もいる. そこで, 某養護学校にてこれまでに食事介助の経験のある教職員と初めて食事介助を行う教職員の給食に対する考え方や要望についての違いを知るために調査を行った. 【対象と方法】対象者は前年度に某養護学校にて食事介助の経験のある教職員59名(対象群I)と, 本年度初めて食事介助を行う教職員21名(対象群II)とした. 独自に作成した調査用紙を用い, 本調査を行った. 調査項目は, 摂食相談, 給食の現状, 給食への要望および研修会の参加経験とした. 【結果】学校給食の設備や食形態, 食事の介助の際の不安や疑問については対象群I, IIとも同じ傾向を示した. 介助の際の不安や疑問についての具体的な内容は, 対象群Iでは「むせ」, 対象群IIでは「介助法」について多く挙げられた. 摂食相談への希望は, 対象群I, IIともに食事の介助方法の希望が多く挙げられた. 給食で最も重要なことは, 対象群Iは「安全性」, 対象群IIは「楽しさ」であった. 介助法の適切さでは, 対象群Iは6割がやや適切と回答し, 対象群IIは4割程度であった. 研修会への参加は, 対象群Iは7割以上が参加しており, 対象群IIでは3割程度であった. 【考察】対象群Iでは, 介助の際の不安や疑問について, 自身の食事の介助方法よりむせについて多く挙げられ, 基本的な介助方法や食事に関する知識・意識の向上指向が伺えた. 対象群IIでは不安や疑問, 研修会の受講経験から介助法を含めた食事に関する指導・研修の必要性が伺えた. 対象群I, IIともに, 介助方法の相談の希望が多く, 担当の児童・生徒に適した介助方法の確認が必要と考えられた. 今後, 摂食相談がより効果的になるよう, 今回の調査結果をフィードバックさせることが必要である.
ISSN:1343-8441