老人クラブ会員におけるボランティア活動と身体・心理・社会的健康状態との関連

「要旨」老人クラブ会員におけるボランティア活動と身体・心理・社会的健康状態との関連を明らかにするため, A市B地区老人クラブの60歳以上の高齢者234人を対象に無記名自記式質問紙調査を実施した. 有効回答の146人を分析対象とし, ボランティア活動の有無別および人を直接的に支援する活動の有無別に単変量解析を行った結果, ボランティア活動を行っている者は, 主観的健康感とIADL, 抑うつ, 社会活動とソーシャルネットワークが有意に高く, 人を直接的に支援する活動の有無別にはいずれの項目にも有意差はなかった. ボランティア活動の有無を従属変数とした多変量解析では主観的健康感が抽出された. また,...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in武庫川女子大学看護学ジャーナル Vol. 9; pp. 28 - 40
Main Authors 伊藤倫, 和泉京子, 金谷志子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 武庫川女子大学看護学部 24.03.2024
Online AccessGet full text
ISSN2424-0303

Cover

More Information
Summary:「要旨」老人クラブ会員におけるボランティア活動と身体・心理・社会的健康状態との関連を明らかにするため, A市B地区老人クラブの60歳以上の高齢者234人を対象に無記名自記式質問紙調査を実施した. 有効回答の146人を分析対象とし, ボランティア活動の有無別および人を直接的に支援する活動の有無別に単変量解析を行った結果, ボランティア活動を行っている者は, 主観的健康感とIADL, 抑うつ, 社会活動とソーシャルネットワークが有意に高く, 人を直接的に支援する活動の有無別にはいずれの項目にも有意差はなかった. ボランティア活動の有無を従属変数とした多変量解析では主観的健康感が抽出された. また, フレイル状態の者も一定数ボランティア活動へ参加していた. 以上より, 活動内容に関わらず, あらゆる高齢者を支援者側として捉え, 主観的健康感の強化とボランティア活動への参加を促すことが, 健康状態の維持・向上につながると考えられる.
ISSN:2424-0303