日本における直接経口抗凝固薬 (DOAC) の2014年度処方状況 : 日本のレセプト情報・特定健診等情報データベース (NDB) オープンデータを用いた疫学調査
《Abstract》現在, 日本において複数の直接経口抗凝固薬(DOAC)が利用可能であるが, 実臨床におけるその処方状況に関する報告は少ない. 本研究の目的は, 日本のレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)オープンデータ(2014年度)を用いてDOACの処方状況を調査・解析することである. 対象はプラザキサ(R)(75mg, 110mg)カプセル, イグザレルト(R)(10mg, 15mg)錠, エリキュース(R)(2.5mg, 5mg)錠とした. この3種類のDOACは2014年度において「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」にのみ適応を有して...
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Published in | 心臓 Vol. 49; no. 11; pp. 1135 - 1141 |
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Main Authors | , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本心臓財団・日本循環器学会
15.11.2017
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ISSN | 0586-4488 |
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Summary: | 《Abstract》現在, 日本において複数の直接経口抗凝固薬(DOAC)が利用可能であるが, 実臨床におけるその処方状況に関する報告は少ない. 本研究の目的は, 日本のレセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)オープンデータ(2014年度)を用いてDOACの処方状況を調査・解析することである. 対象はプラザキサ(R)(75mg, 110mg)カプセル, イグザレルト(R)(10mg, 15mg)錠, エリキュース(R)(2.5mg, 5mg)錠とした. この3種類のDOACは2014年度において「非弁膜症性心房細動患者における虚血性脳卒中及び全身性塞栓症の発症抑制」にのみ適応を有していたため, この適応症に対する総投与日数を集計した. 年齢別, 性別の比較に加え, 「入院」, 「外来」の処方区分の違いにおける検討も行った. 成人における全DOACの総投与日数は188, 634, 206日であり, その年間使用量は年齢の上昇にしたがって増加し, 「外来」では70歳代, 「入院」では80歳代でピークとなった. 非高齢者と高齢者の比較では「外来」, 「入院」いずれにおいても選択されるDOACに違いがみられ, また, 高齢者は非高齢者と比較して減量処方の比率が高かった. 性別の比較では「外来」, 「入院」いずれにおいても選択されるDOACに違いがみられ, また, 女性は男性と比較して有意に減量処方の比率が高かった. 本研究は日本におけるDOACの使用状況を大規模かつ総合的に調査・解析した最初の報告であり, 処方傾向の把握や今後のDOACの適正使用に対する一助となるものと考える. |
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ISSN: | 0586-4488 |