腰椎椎間孔外ヘルニアの治療経験-特に前方固定術の有用性について

「はじめに」腰椎椎間孔外ヘルニアの診断は近年CT, MRIなどの診断技術の進歩により比較的容易になってきた. しかし手術法については種々の方法が報告されているがその適応はあきらかではない. 今回, 当科で経験した手術症例7例を通じて前方固定術の本疾患に対する位置づけについて検討する. 対象及び方法(表1)1985年から1994年に経験し, 6ヵ月以上経過観察できた8例(うち保存療法例1例)を対象とした. 年齢は, 21~58歳(平均47.9歳), 男性7例, 女性1例であり50歳前後の男性に多かった. 椎間高位はL5/S2例, L4/5 5例, L3/4 1例とL4/5に多かった. 罹病期間は...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 45; no. 3; pp. 974 - 976
Main Authors 岡嶋啓一郎, 前川清継, 坂田浩章, 高野晴夫, 浦田紳一, 川添泰弘
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.1996
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」腰椎椎間孔外ヘルニアの診断は近年CT, MRIなどの診断技術の進歩により比較的容易になってきた. しかし手術法については種々の方法が報告されているがその適応はあきらかではない. 今回, 当科で経験した手術症例7例を通じて前方固定術の本疾患に対する位置づけについて検討する. 対象及び方法(表1)1985年から1994年に経験し, 6ヵ月以上経過観察できた8例(うち保存療法例1例)を対象とした. 年齢は, 21~58歳(平均47.9歳), 男性7例, 女性1例であり50歳前後の男性に多かった. 椎間高位はL5/S2例, L4/5 5例, L3/4 1例とL4/5に多かった. 罹病期間は1~7ヵ月(平均3.8ヵ月), 術後経過観察期間は6~110ヵ月(平均64.6ヵ月)であった. 術前JOAscoreは6~15点(平均10.6点)であった. 1例に神経根ブロックを中心とした保存療法を行い, 7例に手術療法を行った. L5/S椎間2例及び初期のL4/5椎間1例に片側椎間関節切除及び後側方固定(うち1例にLuque rod固定併用)を, L4/5椎間3例及びL3/4椎間1例に前方固定術(うちセラミック棘間ブロック使用2例)を行った. 結果 1. 臨床症状(表2)L5/S椎間では座骨神経痛とL5神経根障害であり, L3/4椎間では大腿神経痛とL3神経根障害であった.
ISSN:0037-1033