頚動脈ステント留置術を行った右側大動脈弓の1例

右側大動脈弓は日常で遭遇することはまれな血管奇形である. 今回われわれは, 右側大動脈弓を有する右内頚動脈狭窄に対しstaged angioplastyを施行した1例を経験したので報告する. 症例は66歳, 男性. 呂律困難を認め当院に救急受診された. 頭部MRIで右中大脳動脈領域の急性期脳梗塞とMRAで右内頚動脈の描出不良を認めた. 血管撮影にて右内頚動脈起始部の高度狭窄と右側大動脈弓を確認した. 症候性の右内頚動脈狭窄の症例に対し, 術後の過灌流症候群を懸念してstaged angioplastyを行った. 右側大動脈弓はまれではあるが, 通常の血管撮影や緊急のカテーテル治療でも遭遇する可...

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Published in脳卒中の外科 Vol. 51; no. 1; pp. 28 - 33
Main Authors 白石祐基, 木村新, 茶谷めぐみ, 宮座静香, 藤本京利
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脳卒中の外科学会 31.01.2023
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Summary:右側大動脈弓は日常で遭遇することはまれな血管奇形である. 今回われわれは, 右側大動脈弓を有する右内頚動脈狭窄に対しstaged angioplastyを施行した1例を経験したので報告する. 症例は66歳, 男性. 呂律困難を認め当院に救急受診された. 頭部MRIで右中大脳動脈領域の急性期脳梗塞とMRAで右内頚動脈の描出不良を認めた. 血管撮影にて右内頚動脈起始部の高度狭窄と右側大動脈弓を確認した. 症候性の右内頚動脈狭窄の症例に対し, 術後の過灌流症候群を懸念してstaged angioplastyを行った. 右側大動脈弓はまれではあるが, 通常の血管撮影や緊急のカテーテル治療でも遭遇する可能性があり, 手技やデバイスの選択に工夫を要するため, 常にその存在を意識し十分な解剖知識を有しておく必要があると思われた.
ISSN:0914-5508