MAC抗体価陽性のサルコイドーシスと考えられた1例

「要旨」 : MAC抗体価陽性のサルコイドーシスと考えられた1例を報告する. 症例は透析中の45歳, 男性である. 自覚症状はなかったが, 定期検診で胸部異常陰影を指摘された. 胸部CT所見は, 小葉間隔壁, 気管支血管束, 臓側胸膜, 葉間胸膜上に多発するびまん性の微細粒状影であり, MAC抗体価は3.49 U/mlと高値を示し, 経気管支鏡的肺生検では, 壊死を伴わない類上皮細胞性肉芽腫を認めた. 1年後の胸部CT写真では, 微細粒状影はほぼ消失した. 本例は画像所見, 病理所見, 臨床経過よりMAC抗体価陽性のサルコイドーシスと考えた. サルコイドーシス病因としてのMAC感染の可能性が示...

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Published in結核 Vol. 95; no. 6; pp. 143 - 147
Main Authors 沖本二郎, 八田秀一, 佐藤友紀, 佐藤通洋, 佐藤仁思, 友田恒一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本結核・非結核性抗酸菌症学会 15.09.2020
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ISSN0022-9776

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Summary:「要旨」 : MAC抗体価陽性のサルコイドーシスと考えられた1例を報告する. 症例は透析中の45歳, 男性である. 自覚症状はなかったが, 定期検診で胸部異常陰影を指摘された. 胸部CT所見は, 小葉間隔壁, 気管支血管束, 臓側胸膜, 葉間胸膜上に多発するびまん性の微細粒状影であり, MAC抗体価は3.49 U/mlと高値を示し, 経気管支鏡的肺生検では, 壊死を伴わない類上皮細胞性肉芽腫を認めた. 1年後の胸部CT写真では, 微細粒状影はほぼ消失した. 本例は画像所見, 病理所見, 臨床経過よりMAC抗体価陽性のサルコイドーシスと考えた. サルコイドーシス病因としてのMAC感染の可能性が示唆された.
ISSN:0022-9776