公認心理師について

近年, 児童期青年期の心の問題については, うつやPTSD, 発達障害等の精神疾患を抱えた患者数の増加や, 家庭内暴力, ひきこもりといった家族や社会に関係する問題が取り上げられ, 当事者やその家族に対する支援が一層重要なものとなっている. このような中, 心理職は長年の間, 子供の将来的な成長を鑑みて長期に支援したり, 家族や学校など子供を取り巻く環境に働きかけたりするなど, 発達的, 心理社会的な視点に基づいて支援を行ってきた. こうした支援活動の一つひとつは, 心理職全体の実績や社会的な信用へとつながり, 公認心理師制度が創設されるに至ったと思われる. 本稿では, この公認心理師制度に関...

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Published in児童青年精神医学とその近接領域 Vol. 61; no. 3; pp. 221 - 222
Main Author 島田隆生
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本児童青年精神医学会 01.06.2020
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ISSN0289-0968

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Summary:近年, 児童期青年期の心の問題については, うつやPTSD, 発達障害等の精神疾患を抱えた患者数の増加や, 家庭内暴力, ひきこもりといった家族や社会に関係する問題が取り上げられ, 当事者やその家族に対する支援が一層重要なものとなっている. このような中, 心理職は長年の間, 子供の将来的な成長を鑑みて長期に支援したり, 家族や学校など子供を取り巻く環境に働きかけたりするなど, 発達的, 心理社会的な視点に基づいて支援を行ってきた. こうした支援活動の一つひとつは, 心理職全体の実績や社会的な信用へとつながり, 公認心理師制度が創設されるに至ったと思われる. 本稿では, この公認心理師制度に関して, 公認心理師の定義や養成のシステム, 活動の場等について紹介する. 公認心理師制度創設の背景には, 近年心の健康の問題が重要となり, 国民が安心して心理に関する支援を受けられるよう, 国家資格によって資質を裏付けられた心理職が必要とされたことがある.
ISSN:0289-0968