Von Recklinghausen病に合併した胸腔内髄膜瘤の2例

「はじめに」Von Recklinghausen病では, dumbbell型の神経線維腫による脊髄神経障害の合併を散見するが, 髄膜瘤を合併することは少ない. 我々は胸腔内髄膜瘤を合併した2例に対して観血的治療を行なったので, 文献的考察を加えて報告する. 症例 症例1, 57歳の女性. 主訴は咳嗽, 労作時呼吸困難. 1994年10月, 嘔気が出現, 胸部X線写真, CTにて左胸腔内髄腫瘤を指摘され経過観察されていた. 1998年2月呼吸困難と全身倦怠感が出現したため当院外科入院となった. 理学所見は全身に大小多数の神経線維腫とCafe au lait spotを認め, 左胸部の呼吸音が減弱...

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Published in整形外科と災害外科 Vol. 48; no. 4; pp. 1051 - 1055
Main Authors 岩崎敏展, 永田見生, 後藤博史, 薗田恭輔, 井本浩樹, 真島武, 吉松弘喜, 高宮啓彰, 林明宏, 高森信三, 谷川廣一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 西日本整形・災害外科学会 25.09.1999
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ISSN0037-1033

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Summary:「はじめに」Von Recklinghausen病では, dumbbell型の神経線維腫による脊髄神経障害の合併を散見するが, 髄膜瘤を合併することは少ない. 我々は胸腔内髄膜瘤を合併した2例に対して観血的治療を行なったので, 文献的考察を加えて報告する. 症例 症例1, 57歳の女性. 主訴は咳嗽, 労作時呼吸困難. 1994年10月, 嘔気が出現, 胸部X線写真, CTにて左胸腔内髄腫瘤を指摘され経過観察されていた. 1998年2月呼吸困難と全身倦怠感が出現したため当院外科入院となった. 理学所見は全身に大小多数の神経線維腫とCafe au lait spotを認め, 左胸部の呼吸音が減弱していた. 血液所見では動脈血ガス分析で酸素分圧の低値および呼吸機能検査で拘束性換気障害を認めた. 入院時胸部単純X線では左肺全体の無気肺及び縦隔の右方偏位を認めた. 総量2000mlの胸水持続吸引後, 左肺含気は改善したが腫瘤は以前よりも増大していることが判明した(図1-A).
ISSN:0037-1033