内視鏡所見では診断が困難であった 好酸球性食道炎 (EoE) の1例

「はじめに」 好酸球性食道炎(EoE)はLandresらによって報告され, 当時は稀な疾患とされてきたが, 近年報告例も増加している. 嚥下困難等の症状を有し, プロトンポンプ阻害薬(PPI)が無効な患者の鑑別疾患の1つとして留意すべきである. 「症例」 患者 : 62歳, 男性. 主訴 : 食道つかえ感, 胸痛. 既往歴 : 57歳心筋梗塞. 喘息, 他にアレルギー疾患はなし. 現病歴 : 2014年4月, 食後つかえ感, 胸痛を認め, 当院救急外来受診. 狭心症疑いで各種精査施行したが, 循環器疾患は認めなかった. 胸部CT検査で中部~下部食道の浮腫性壁肥厚等を認めた. 末梢血好酸球は正常...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy(2001年から) Vol. 86; no. 1; pp. 122 - 124
Main Authors 佐々木善浩, 原田舞子, 木谷幸博, 上條孟, 島田祐輔, 林昌武, 上市英雄, 川村紀夫, 平野和彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本消化器内視鏡学会関東支部会 13.06.2015
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ISSN1348-9844

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Summary:「はじめに」 好酸球性食道炎(EoE)はLandresらによって報告され, 当時は稀な疾患とされてきたが, 近年報告例も増加している. 嚥下困難等の症状を有し, プロトンポンプ阻害薬(PPI)が無効な患者の鑑別疾患の1つとして留意すべきである. 「症例」 患者 : 62歳, 男性. 主訴 : 食道つかえ感, 胸痛. 既往歴 : 57歳心筋梗塞. 喘息, 他にアレルギー疾患はなし. 現病歴 : 2014年4月, 食後つかえ感, 胸痛を認め, 当院救急外来受診. 狭心症疑いで各種精査施行したが, 循環器疾患は認めなかった. 胸部CT検査で中部~下部食道の浮腫性壁肥厚等を認めた. 末梢血好酸球は正常であったが, EoEを疑い上部内視鏡検査を施行したが, 微小の白斑を認めるのみであった. 中部食道から3ヵ所で生検施行し, 強拡大1視野中の好酸球数が10~15/HPFと好酸球の増多を認めたが, 確定診断は得られなかった. PPIで経過観察したが, その後も症状持続し, 内視鏡再検査を施行した.
ISSN:1348-9844