An autopsy case of Down syndrome associated with low birth weight, congenital heart disease and pulmonary hypertension

Down症候群児では,非Down症候群児と比較し一般に肺動脈性肺高血圧の進行が急速であると考えられている.我々は,低出生体重児で,動脈管開存と心室中隔欠損を併存し,遷延する肺高血圧の増悪により死亡したDown症候群の1例を経験した.症例は6カ月女児で,出生後から酸素化障害と肺高血圧が遷延し,一時改善を認めたものの,生後6カ月で急速に肺高血圧発作が頻発し死亡した.臨床経過から非可逆性の肺血管リモデリングをきたした重症肺高血圧と考えた.しかしながら,病理解剖の結果,肺血管はHeath-Edwards分類1度相当の筋性肺動脈の中膜平滑筋肥厚と非筋性細動脈の筋性化所見を認めるのみであった.一方,肺実質...

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Published inShinzo Vol. 51; no. 11; pp. 1167 - 1173
Main Authors Furuya, Tomoko, Ohta-Ogo, Keiko, Nomura, Tomohiro, Sakurai, Makito, Doi, Shozaburo, Ishii, Taku, Yamaguchi, Yohei, Nishiguchi, Kosuke, Kondo, Utako, Maeda, Yoshichika
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published Japan Heart Foundation 15.11.2019
公益財団法人 日本心臓財団
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ISSN0586-4488
2186-3016
DOI10.11281/shinzo.51.1167

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Summary:Down症候群児では,非Down症候群児と比較し一般に肺動脈性肺高血圧の進行が急速であると考えられている.我々は,低出生体重児で,動脈管開存と心室中隔欠損を併存し,遷延する肺高血圧の増悪により死亡したDown症候群の1例を経験した.症例は6カ月女児で,出生後から酸素化障害と肺高血圧が遷延し,一時改善を認めたものの,生後6カ月で急速に肺高血圧発作が頻発し死亡した.臨床経過から非可逆性の肺血管リモデリングをきたした重症肺高血圧と考えた.しかしながら,病理解剖の結果,肺血管はHeath-Edwards分類1度相当の筋性肺動脈の中膜平滑筋肥厚と非筋性細動脈の筋性化所見を認めるのみであった.一方,肺実質はDown症候群に特徴的な肺胸膜下の嚢胞形成と未熟性に伴う肺胞低形成を認めた.肺の低形成・未熟性と非筋性動脈の筋性動脈化が病理所見の主体であった.肺小動脈中膜の筋性肥厚所見は,肺高血圧発作の頻発に関連したものと思われる.低出生体重,先天性短絡心疾患と重症肺高血圧を有するDown症候群では,未熟性に伴う肺胞低形成の影響も加わり重症肺高血圧が遷延する可能性が高く,短絡心疾患の手術介入は時期を逸することなく行うことが肝要であると考えられた.
ISSN:0586-4488
2186-3016
DOI:10.11281/shinzo.51.1167