歯性感染により除去に至ったオトガイ部シリコンインプラントの1例

「緒言」発育異常や形態的不調和による下顎後退症に対して, オトガイ形成術を施行することがある. オトガイ形成術には骨切りによる方法とインプラントを使用するalloplastyがあり, その材料としてはハイドロキシアパタイト1-3)やシリコン4)が用いられる. 口腔外科領域では前者が一般的であるが3), 形成外科領域では比較的容易な術式であること, あるいは局所麻酔下での手術が可能である等の利点から, 後者が選択されることが多い5-7). その中でも材料としてシリコンを用いることが過去に多くみられたが, 同材料をインプラントとして用いた術式では術後の骨吸収, 感染が生じるとの報告が散見される5-...

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Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 22; no. 3; pp. 223 - 227
Main Authors 柴田哲伸, 五島秀樹, 清水武, 長谷部大地, 野池淳一, 横林敏夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本顎変形症学会 15.08.2012
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ISSN0916-7048

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Summary:「緒言」発育異常や形態的不調和による下顎後退症に対して, オトガイ形成術を施行することがある. オトガイ形成術には骨切りによる方法とインプラントを使用するalloplastyがあり, その材料としてはハイドロキシアパタイト1-3)やシリコン4)が用いられる. 口腔外科領域では前者が一般的であるが3), 形成外科領域では比較的容易な術式であること, あるいは局所麻酔下での手術が可能である等の利点から, 後者が選択されることが多い5-7). その中でも材料としてシリコンを用いることが過去に多くみられたが, 同材料をインプラントとして用いた術式では術後の骨吸収, 感染が生じるとの報告が散見される5-8). 今回われわれは, 形成外科でシリコンインプラント埋入によるオトガイ形成術を施行され, 30年という長期の経過を経た後に骨吸収と感染が認められ, 除去を行った症例を経験したので, その概要を報告する.
ISSN:0916-7048