後天性免疫不全症候群患者の顎矯正手術経験
「緒言」 現在, わが国の後天性免疫不全症候群(Acquired Immuno-Deficiency Syndrome:以下AIDS)患者は5700人を超え, さらに毎年約400人が新たにADISと診断されている1). 一方, 1996年より行われるようになった抗レトロウイルス療法(anti-retroviral therapy:以下ART)により, AIDS患者の死亡者数は著しく減少した2). それによりAIDS患者数は近年増加傾向を示し, われわれがAIDS患者の外科治療を行う機会は今後ますます増加するものと思われる. 今回われわれは, AIDSを発症した骨格性下顎前突症患者に対して, 下...
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Published in | 日本顎変形症学会雑誌 Vol. 23; no. 1; pp. 25 - 30 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本顎変形症学会
15.04.2013
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ISSN | 0916-7048 |
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Summary: | 「緒言」 現在, わが国の後天性免疫不全症候群(Acquired Immuno-Deficiency Syndrome:以下AIDS)患者は5700人を超え, さらに毎年約400人が新たにADISと診断されている1). 一方, 1996年より行われるようになった抗レトロウイルス療法(anti-retroviral therapy:以下ART)により, AIDS患者の死亡者数は著しく減少した2). それによりAIDS患者数は近年増加傾向を示し, われわれがAIDS患者の外科治療を行う機会は今後ますます増加するものと思われる. 今回われわれは, AIDSを発症した骨格性下顎前突症患者に対して, 下顎枝矢状分割術(sagittal split ramus osteotomy:以下SSRO)による下顎骨形成術を施行した1例を経験したのでその概要を報告する. 「症例」 患者:39歳, 男性 初診:2011年2月 主訴:オトガイ部の前突 既往歴:2003年4月, B型急性肝炎にて入院した. |
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ISSN: | 0916-7048 |