介護老人保健施設利用高齢者における根面う蝕の有病状況と関連要因

「緒言」平成28年歯科疾患実態調査において, 80歳になっても自分の歯が20本以上ある8020(はちまるにいまる)を達成した者の推計割合は51.2%となり, いずれの年齢階級においても現在歯数は増加傾向にあった. しかしながら, 4mm以上の歯周ポケットを有する者の割合も同じく増加しており, 平成28年国民健康・栄養調査より歯科検診受診者も増加していることから, 増加する現在歯の健全性維持のため, 歯科医療機関における定期管理の果たす役割はさらに大きくなることが予想される. いくつかの疫学研究によると, 歯の喪失のリスク因子として歯周ポケットの保有の他に根面う蝕が挙げられている. 歯周病の観点...

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Published in神奈川歯学 Vol. 54; no. 2; pp. 85 - 91
Main Authors 持田悠貴, 山本龍生, 川村和章, 宋文群, 渕田慎也, 中野貴文, 川田和重, 榎田中外, 佐塚仁一郎, 竹内智, 荒川浩久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 神奈川歯科大学学会 30.12.2019
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ISSN0454-8302

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Summary:「緒言」平成28年歯科疾患実態調査において, 80歳になっても自分の歯が20本以上ある8020(はちまるにいまる)を達成した者の推計割合は51.2%となり, いずれの年齢階級においても現在歯数は増加傾向にあった. しかしながら, 4mm以上の歯周ポケットを有する者の割合も同じく増加しており, 平成28年国民健康・栄養調査より歯科検診受診者も増加していることから, 増加する現在歯の健全性維持のため, 歯科医療機関における定期管理の果たす役割はさらに大きくなることが予想される. いくつかの疫学研究によると, 歯の喪失のリスク因子として歯周ポケットの保有の他に根面う蝕が挙げられている. 歯周病の観点から書かれた根面う蝕のレビューにおいても, 歯周病患者における歯肉退縮やアタッチメントロスは根面う蝕発生のリスク因子となるため, 特に注意を払うべきとされている.
ISSN:0454-8302