CT検診における利益とリスクの評価

<はじめに>長野県厚生連(以下, 当厚生連)では, 間接エックス線を中心とした従来どおりの肺癌検診では本来の目的である死亡率減少効果に限界があると考え, 県下11支部病院の連携・協力のもと, 2001年よりヘリカルCT検診車による巡回型の肺癌検診を開始した. 約4年が経過した現在において, 当初から原則とされていた40歳以上を対象とする検診適応年齢があいまいとなり, ほぼ受診希望者全員のCT検診を行なうように移行してきた. しかしCT検診はその有効性がいまだ未確立な上に, 従来の間接エックス線との比較において被ばく線量は約18倍と報告されている(約0.07mSv→約1.28mSv)...

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Published in日本農村医学会雑誌 Vol. 54; no. 3; p. 317
Main Authors 依田友勝, 前島友和, 戸田泰宏, 西沢延宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本農村医学会 01.09.2005
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ISSN0468-2513

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Summary:<はじめに>長野県厚生連(以下, 当厚生連)では, 間接エックス線を中心とした従来どおりの肺癌検診では本来の目的である死亡率減少効果に限界があると考え, 県下11支部病院の連携・協力のもと, 2001年よりヘリカルCT検診車による巡回型の肺癌検診を開始した. 約4年が経過した現在において, 当初から原則とされていた40歳以上を対象とする検診適応年齢があいまいとなり, ほぼ受診希望者全員のCT検診を行なうように移行してきた. しかしCT検診はその有効性がいまだ未確立な上に, 従来の間接エックス線との比較において被ばく線量は約18倍と報告されている(約0.07mSv→約1.28mSv)などの理由より, 一般的にはその適応が受診年齢(40~50歳以上)等で制限されている. よって今回は再び検診の原点に立ち戻るべく, 当厚生連独自のデータより検診における利益とリスクの関係を評価し, 独自の検診適応年齢を検討することとした. <目的>受診者および関係者の方々へ根拠ある説明を示すためにCT検診における利益とリスクを数値化し, 当厚生連独自の検診適応年齢を考える.
ISSN:0468-2513