自己末梢血造血幹細胞移植治療の輸血に伴う同種免疫感作

「目的」各種悪性腫瘍に対する大量化学療法の骨髄抑制を回避するため, 自己末梢血幹細胞移植(PBSCT)が施行されている. PBSCT治療期間中の同種血輸血により産生される血小板(HLA,HPA)抗体の頻度と危険因子についてプロスペクティプに検討した. 「対象・方法」1995年1月~1998年12月までの4年間に末梢血幹細胞移植を受け, 白血球除去製剤のみを使用した造血器腫瘍17例と固形腫瘍40例(男23, 女34:年齢:1-63, 中央値29)計57症例を対象とした. 尚, 輸血前血小板抗体検査で陽性であった症例は除外した. 濃厚赤血球と濃厚血小板の白血球除去は, フィルター(Pall)を用い...

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Published in日本輸血学会雑誌 Vol. 46; no. 2; p. 157
Main Authors 安田広康, 大戸斉, 山口脩, 菊田敦, 小川一英, 村木修, 山田秀和, 岸本昌浩
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本輸血学会 01.04.2000
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Summary:「目的」各種悪性腫瘍に対する大量化学療法の骨髄抑制を回避するため, 自己末梢血幹細胞移植(PBSCT)が施行されている. PBSCT治療期間中の同種血輸血により産生される血小板(HLA,HPA)抗体の頻度と危険因子についてプロスペクティプに検討した. 「対象・方法」1995年1月~1998年12月までの4年間に末梢血幹細胞移植を受け, 白血球除去製剤のみを使用した造血器腫瘍17例と固形腫瘍40例(男23, 女34:年齢:1-63, 中央値29)計57症例を対象とした. 尚, 輸血前血小板抗体検査で陽性であった症例は除外した. 濃厚赤血球と濃厚血小板の白血球除去は, フィルター(Pall)を用いてベッドサイドにて施行した. 抗血小板抗体検査はLCT法, AHG-LCT法, MPHA法の3法により隔週ごとに行った. 尚, 観察期間は移植日から最終血小板輸血日までの期間, または, 移植日から血小板輸血間隔が7日以上となるまでの期間とした.
ISSN:0546-1448