日立7070型自動分析器の血清情報を用いた赤血球抵抗試験について

はじめに:日立7070型自動分析器は主に生化学項目等の測定に用いられている, その測定に際し, 溶血, 乳びおよび黄疸の3項目を血清情報として測定が可能である. また, 赤血球抵抗試験は緩衝食塩液の希釈系列への血液の添加による溶血の強さの変化を利用し, 溶血性貧血の判定に広く用いられている. 今回我々は, Parpart法により測定し, 日立7070型自動分析器の血清情報項目の溶血指数を溶血度の判定に利用した測定方法を試みたので報告する. 方法:当院に入院および外来患者のヘパリン血13例についてParpart法にて赤血球抵抗を測定した. 0. 85%~0. 10%までの各希釈緩衝食塩液5mlに...

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Published inJournal of Nippon Medical School Vol. 70; no. 6; p. 582
Main Authors 高木豊, 影山憲貴, 萩原直久, 野本剛史, 里村克章
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本医科大学医学会 15.12.2003
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ISSN1345-4676

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Summary:はじめに:日立7070型自動分析器は主に生化学項目等の測定に用いられている, その測定に際し, 溶血, 乳びおよび黄疸の3項目を血清情報として測定が可能である. また, 赤血球抵抗試験は緩衝食塩液の希釈系列への血液の添加による溶血の強さの変化を利用し, 溶血性貧血の判定に広く用いられている. 今回我々は, Parpart法により測定し, 日立7070型自動分析器の血清情報項目の溶血指数を溶血度の判定に利用した測定方法を試みたので報告する. 方法:当院に入院および外来患者のヘパリン血13例についてParpart法にて赤血球抵抗を測定した. 0. 85%~0. 10%までの各希釈緩衝食塩液5mlに血液50μlを加え室温に30分放置後2, 000rpm, 5分遠心分離し, その上清を比色計(日立105型)および日立7070の血清情報項目の溶血指数にて測定し比較した. 結果:各検体の比色計の吸光度は0. 03~1. 55を示し, 日立7070の血清情報の溶血指数は0~404を示した. また相関係数はr=0. 988~0. 999平均0. 997となった. 考察:日立7070型自動分析器の血清情報項目の溶血指数を利用した赤血球抵抗の測定は, 比色計とほぼ同様の赤血球抵抗曲線が得られた. 通常の機器の使用方法にとらわれることなく, 機器および測定項目の原理, 内容を十分に把握し応用することにより, 赤血球抵抗試験の測定が可能になると思われた.
ISSN:1345-4676