原発性局所多汗症の疾病負荷に関する調査 (Webアンケート調査) - 原発性局所多汗症の重症度評価に基づくQOLおよび精神面への影響
「要旨」本邦における原発性局所多汗症の疾病負荷を明らかにすることを目的に, 原発性局所多汗症の重症度評価であるhyperhidrosis disease severity scale(HDSS)のスコア別に同疾患のQOLや精神面への影響をインターネットによるアンケートを用いて調査した. 原発性局所多汗症の診断基準に該当する497例において, 皮膚疾患に関連したQOLを評価する尺度であるDermatology Life Quality Index(DLQI)では, 合計スコアが「生活に大きな影響がある」とされる11点以上となった割合はHDSS1では0%, HDSS2では8.1%, HDSS3では...
Saved in:
Published in | 新薬と臨牀 Vol. 74; no. 2; pp. 153 - 165 |
---|---|
Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
医薬情報研究所
10.02.2025
|
Online Access | Get full text |
ISSN | 0559-8672 |
Cover
Summary: | 「要旨」本邦における原発性局所多汗症の疾病負荷を明らかにすることを目的に, 原発性局所多汗症の重症度評価であるhyperhidrosis disease severity scale(HDSS)のスコア別に同疾患のQOLや精神面への影響をインターネットによるアンケートを用いて調査した. 原発性局所多汗症の診断基準に該当する497例において, 皮膚疾患に関連したQOLを評価する尺度であるDermatology Life Quality Index(DLQI)では, 合計スコアが「生活に大きな影響がある」とされる11点以上となった割合はHDSS1では0%, HDSS2では8.1%, HDSS3では17.8%, HDSS4では47.4%であった. うつ症状の評価尺度であるPatient Health Questionnaire-9(PHQ-9)および全般性不安障害の評価尺度であるGeneralized Anxiety Disorder-7(GAD-7)では, 合計スコアが「中等度」とされる10点以上となった割合はHDSS1では各指標とも0%であり, HDSS2では27.9%および14.0%, HDSS3では28.3%および20.0%, HDSS4では37.0%および24.4%であった. HDSSによる評価のみで全ての原発性局所多汗症患者のQOLや精神面の障害の程度までを捉えることは難しいものの, HDSS2以上でQOLが大きく障害されている患者や精神面が中等度に障害されている患者が存在すると考えられ, HDSS2でも治療が必要な患者が存在する可能性が示唆された. |
---|---|
ISSN: | 0559-8672 |