EMRにて深達度T1a-LPM(m2)と診断され経過観察中に食道壁内再発をきたした表在食道癌の1例

「和文要旨」深達度EP(m1),LPM(m2)の食道癌はほとんどリンパ節転移を認めないことから, EMRの絶対適応と考えられる. しかし, 過去に深達度M2の症例で他臓器やリンパ節転移を認めた症例の報告は少ないながらも存在する. また, 食道癌は多発する傾向を有し, 他臓器との重複癌にも注意が必要である. 今回我々は深達度M2と診断され, 経過観察中に壁内およびリンパ節転移をきたしたと考えられる症例を経験したので報告する. 「はじめに」深達度T1a-EP(m1),T1a-LPM(m2)の表在食道癌ではほとんど脈管侵襲やリンパ節転移を認めないことから, EMRの絶対適応とすることはコンセンサスを...

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Published inProgress of Digestive Endoscopy Vol. 72; no. 2; pp. 44 - 45
Main Authors 吉川貴久, 竹内裕也, 須田康一, 安藤崇史, 平岩訓彦, 入野誠之, 大森泰, 向井万起男, 北島政樹, 北川雄光
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本消化器内視鏡学会関東支部会 15.06.2008
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ISSN1348-9844

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Summary:「和文要旨」深達度EP(m1),LPM(m2)の食道癌はほとんどリンパ節転移を認めないことから, EMRの絶対適応と考えられる. しかし, 過去に深達度M2の症例で他臓器やリンパ節転移を認めた症例の報告は少ないながらも存在する. また, 食道癌は多発する傾向を有し, 他臓器との重複癌にも注意が必要である. 今回我々は深達度M2と診断され, 経過観察中に壁内およびリンパ節転移をきたしたと考えられる症例を経験したので報告する. 「はじめに」深達度T1a-EP(m1),T1a-LPM(m2)の表在食道癌ではほとんど脈管侵襲やリンパ節転移を認めないことから, EMRの絶対適応とすることはコンセンサスを得ていると考えられる. しかし, 過去に深達度m2の症例で他臓器やリンパ節転移を認めた症例の報告は少ないながらも存在する. また, 食道癌は多発する傾向を有し, 他臓器との重複癌にも注意が必要である. 今回我々はEMRにて深達度M2と診断され, 経過観察中に壁内およびリンパ節転移をきたしたと考えられる症例を経験したので報告する. 「症例」患者:50歳, 男性. 主訴:無症状. 既往歴・家族歴:45歳下咽頭癌(T3N2bM0)化学放射線療法(CRTx)にてCR現病歴:下咽頭癌CRTx後の経過観察上部消化管内視鏡検査にて食道病変を指摘され, 内視鏡治療目的に入院となった.
ISSN:1348-9844