リンパ管機能評価に基づき弾性ストッキングを使用した複合的理学療法 (CDP) の観察研究 - CDPと前後にCDPを組合せたリンパ管吻合術の有用性の統計的考察

「要約」:弾性包帯を用いたリンパ浮腫の保存療法は安定した装着と圧迫が難しい故に長期にわたる報告はみられない. 一方弾性ストッキングの特徴は安定した着圧と圧勾配にある. 本研究はリンパ管機能評価に基づき弾性ストッキングを使用した保存療法の効果と限界および前後に保存療法を組合せたリンパ管吻合術の有用性を統計的に評価することを目的とした観察研究である. 対象は続発性下肢リンパ浮腫(片側性)の初診時44人と44人中リンパ管静脈吻合術を実施した29人, 評価指標は体積の変化率と変化量である. 集中排液30日後の変化率は下腿部16.7%, 大腿部9.6%であった. 治療前に対する下腿部のリンパ管静脈吻合術...

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Published in静脈学 Vol. 26; no. 3; pp. 236 - 243
Main Authors 橋本紘吉, 戸崎綾子, 松田奈菜絵, 前川二郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本静脈学会 25.08.2015
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ISSN0915-7395

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Summary:「要約」:弾性包帯を用いたリンパ浮腫の保存療法は安定した装着と圧迫が難しい故に長期にわたる報告はみられない. 一方弾性ストッキングの特徴は安定した着圧と圧勾配にある. 本研究はリンパ管機能評価に基づき弾性ストッキングを使用した保存療法の効果と限界および前後に保存療法を組合せたリンパ管吻合術の有用性を統計的に評価することを目的とした観察研究である. 対象は続発性下肢リンパ浮腫(片側性)の初診時44人と44人中リンパ管静脈吻合術を実施した29人, 評価指標は体積の変化率と変化量である. 集中排液30日後の変化率は下腿部16.7%, 大腿部9.6%であった. 治療前に対する下腿部のリンパ管静脈吻合術前50日/術後50日の変化率は16.5%/19.8%あった. 集中排液による患肢の縮小は維持期でも保持されリンパ管静脈吻合術の組み合せでさらに効果が期待できることを示した. 観察期間は2010年3月から2013年7月である.
ISSN:0915-7395