Lenke type 1の特発性側弯症に対するVertebral Coplanar Alignment (VCA) 法における術後肩バランス不良の発生に関係する因子の検討

「要旨」「はじめに」:側弯症の術後肩バランス不良(PSI)はQOLに影響する. 肩バランスはRadiographic shoulder height(RSH)やT1 tiltで評価されるが, それらの値を規定する因子は不明である. Vertebral coplanar alignment(VCA)におけるRSHとT1 tiltを規定する因子を検討した. 「対象と方法」:11施設においてVCA法で矯正固定術を行ったLenke type 1患者76例を対象とした. 術前・術後のRSHとT1 tiltの変化量(ΔRSH, ΔT1 tilt)とその他のパラメータの相関係数を解析した. 「結果」:近位胸...

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Published inJournal of Spine Research Vol. 16; no. 1; pp. 39 - 47
Main Authors 志村有永, 野尻英俊, 森平泰, 新井秀和, 高田知史, 山田勝祟, 近藤直也, 森野忠夫, 中村英一郎, 友利正樹, 大谷和之, 明田浩司, 永井琢哉, 豊田宏光, 伊藤研悠, 片柳順也, 種市洋
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本脊椎脊髄病学会 20.01.2025
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ISSN1884-7137

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Summary:「要旨」「はじめに」:側弯症の術後肩バランス不良(PSI)はQOLに影響する. 肩バランスはRadiographic shoulder height(RSH)やT1 tiltで評価されるが, それらの値を規定する因子は不明である. Vertebral coplanar alignment(VCA)におけるRSHとT1 tiltを規定する因子を検討した. 「対象と方法」:11施設においてVCA法で矯正固定術を行ったLenke type 1患者76例を対象とした. 術前・術後のRSHとT1 tiltの変化量(ΔRSH, ΔT1 tilt)とその他のパラメータの相関係数を解析した. 「結果」:近位胸椎カーブ(PTC) flexibilityはΔRSHと弱い負の相関を示した. PTC矯正率は術前から術後2年のΔT1 tiltで弱い負の相関を示した. 主胸椎カーブ(MTC)の頂椎変化量(ΔMT-AVT)は術前から術直後のΔRSH, ΔT1 tiltでは術直後・術後2年ともに正の弱い相関を示した. 「結語」:ΔMT-AVTがΔRSH・ΔT1 tiltを規定する因子であり, 肩バランスを調整する術中評価を行う指標と考える.
ISSN:1884-7137