骨格性下顎前突症例に対するチームアプローチの実際

「はじめに」骨格性下顎前突患者の外科的矯正治療では, 下顎枝矢状分割骨切り術やLe Fort I型骨切り術を中心にオトガイ形成術の併用を検討することが多い. その術式の選択にあたり, 骨格や歯軸など硬組織形態, 口唇や鼻など軟組織形態, 咬合や顎関節など機能的問題, 全身状態や治療リスク, 術後安定性, 患者の主訴や心理・社会的背景などを総合的に評価し決定する必要がある. 特に, 複数の術式の可能性が考えられるようなボーダーケースや, 治療上の障害になりうる状況が予測されるケースでは, 各診療科の担当医の個別の連携はもちろん, 外科的矯正治療に関係する診療科全体で十分議論し, 個々の患者に合わ...

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Published in日本顎変形症学会雑誌 Vol. 24; no. 4; pp. 344 - 351
Main Author 玉置幸雄
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本顎変形症学会 15.12.2014
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ISSN0916-7048

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Summary:「はじめに」骨格性下顎前突患者の外科的矯正治療では, 下顎枝矢状分割骨切り術やLe Fort I型骨切り術を中心にオトガイ形成術の併用を検討することが多い. その術式の選択にあたり, 骨格や歯軸など硬組織形態, 口唇や鼻など軟組織形態, 咬合や顎関節など機能的問題, 全身状態や治療リスク, 術後安定性, 患者の主訴や心理・社会的背景などを総合的に評価し決定する必要がある. 特に, 複数の術式の可能性が考えられるようなボーダーケースや, 治療上の障害になりうる状況が予測されるケースでは, 各診療科の担当医の個別の連携はもちろん, 外科的矯正治療に関係する診療科全体で十分議論し, 個々の患者に合わせたチームアプローチを行う必要があるものと考えられる. 福岡歯科大学では, 全ての外科的矯正治療症例に対し, 口腔外科と矯正歯科との合同による顎矯正カンファレンスを行っており, 診断(プロブレムリスト)とこれに対応する治療方針, 術式, 硬組織移動量の設定や術後軟組織形態の推定および治療上の問題点などを具体的に議論し決定している.
ISSN:0916-7048