Sutureless valveを用いた右前小開胸大動脈弁置換術の経験
「要旨」 低侵襲心臓手術(minimally invasive cardiac surgery : MICS)への関心が高まるにつれ, 現在ではいくつかの種類の術式が存在する. 我々は, sutureless valveを用いて右前小開胸で行った大動脈弁置換術48症例について, 後方視的に検討を行った. Intermediate riskの患者群に対して, 手術は第二肋間5cmの切開創から小開胸を行い, 開胸部からの上行大動脈送血と経大腿右房脱血で人工心肺を確立した. 手術時間178.8分, 人工心肺時間80.5分, 大動脈遮断時間50.2分, 心筋保護液の投与回数1.5回, 1症例中の最長心...
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Published in | 体外循環技術 Vol. 49; no. 4; pp. 368 - 373 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本体外循環技術医学会
01.12.2022
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Summary: | 「要旨」 低侵襲心臓手術(minimally invasive cardiac surgery : MICS)への関心が高まるにつれ, 現在ではいくつかの種類の術式が存在する. 我々は, sutureless valveを用いて右前小開胸で行った大動脈弁置換術48症例について, 後方視的に検討を行った. Intermediate riskの患者群に対して, 手術は第二肋間5cmの切開創から小開胸を行い, 開胸部からの上行大動脈送血と経大腿右房脱血で人工心肺を確立した. 手術時間178.8分, 人工心肺時間80.5分, 大動脈遮断時間50.2分, 心筋保護液の投与回数1.5回, 1症例中の最長心筋保護投与間隔時間39分であった. 術中トラブルはカニュレーション関連が7症例, 術中に大動脈解離を発症したのが1症例で, 入院中に死亡した症例はなかった. カニュレーション関連のトラブルの有無で群間比較を行ったが, 体型や形態による差は認められなかった. 経験を重ねるにつれて手術時間や人工心肺時間の短縮が可能である一方で, 従来のMICSの患者群よりも高いriskを有していることでの合併症やsutureless valve, high aortotomyによる心筋保護液の投与時間延長など, 注意が必要である. |
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ISSN: | 0912-2664 |